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ベストアプローチなど、今週の主要調教馬場の時計/栗東トレセンニュース

  • 2016年11月10日(木) 12時15分
 今週の栗東は曇りや雨が降る時間帯が多い。特に9日は朝一番こそ青空も見えたが、すぐに雲が広がって、細かい雨が降り出した。その雨は止むことなく、ずっと降り続け、調教終了の頃にはかなり強い雨に変わっていた。その日の午後は激しい雨こそ降っていないものの、どんよりとした空が続いていた。

 そのせいもあって、気温はかなり低い。追い切りでも夏場に活発に動けていたような馬の動きが鈍くなっている。これからは冬場に好走するタイプの馬が目立ってくるのではないだろうか。

【坂路/4F51.9秒】
 9日。一番時計はキャプテンシップ(栗東・森秀行厩舎)の4F50.2秒。4F50秒台は他に4頭いたが、スプリントで活躍するセカンドテーブル(栗東・崎山博樹厩舎)やミッキーアイル(栗東・音無秀孝厩舎)など。馬場が軽いから速い時計が出たというよりも、やれば出るだろうというメンバーだった印象が強い。

 時計だけでは凄みが表現されていないのが、デイリー杯2歳Sに出走予定のタイセイスターリー(栗東・矢作芳人厩舎)。川田将雅騎手が跨っていたが、鞍上の拳はほとんど動いていないのだが、ゴールが近くなるごとに迫力が増す走り。時計は4F52.7秒と馬場を考えれば、ごく平凡だが、大きな馬体から繰り出されるパワーのある安定感は2歳とは思えない。

 10日。一番時計は4F50.7秒のアイファーサラオー(栗東・坪憲章厩舎)。この日は4F50秒台はこの馬だけで、4F51秒台は3頭。頭数は少ないが、これは全体的な追い切り頭数が少なかったことが影響していると思われる。

 先週の馬場差が「-0.9秒」。先週は馬場が乾いて走りやすい状態だったが、今週は週明けから雨が降ったこともあり、時計は先週ほど出ていない。よって、今週は9日、10日とも『±0.0秒』で馬場差を記録することにした。

【CW/5F66.5秒】
 9日。先週に比べると、6Fで80秒を切っている頭数が少ない。これは追い切られている馬のタイプやレベルにもよるものなので、速い時計が出ていないからといって馬場状態が変化したということではないだろう。実際、サナシオン(栗東・松永幹夫厩舎)は速い5F時計をマークできるタイプだが、いつもより外目を回しながら5F65.0秒をマークしている。

 10日。朝一番で追い切った藤原英昭厩舎の3頭。新馬2頭を引き連れたのが、京都芝2000mで新馬勝ちを決めたベストアプローチダノンロマンダブルバインドが内から迫ってくるところを馬なりのままで待つ感じ。最後はダブルバインドに遅れているが、追い出せばいつでも動ける態勢だったので全く心配なし。時計は6F86.9〜5F70.6〜4F55.3〜3F40.1〜1F11.7秒だった。

 先週の馬場差は「-0.2秒」。今週は雨が降ったこともあり、乗り手がテンから飛ばすより終い重点がベターと考えている追い切りが多かったように思う。その影響で全体時計は遅いが、後半は速いという馬も多く、それを考えると決して時計を要する馬場というわけではない。よって馬場差は9日、10日とも先週と同じ『-0.2秒』で記録している。

【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
 今週の芝馬場は9日の調教時間に雨が降っていたこともあってか、追い切り頭数が非常に多かった。ただ、馬場状態に関してはかなり悪く、芝の大きな塊が飛びまくるという状況は続いている。その影響もあって、普段の芝馬場を走る時のように前半から飛ばしていくと、ゴール前では芝とは思えない脚色になっている。

 エリザベス女王杯に出走予定のパールコード(栗東・中内田充正厩舎)は先週と同じイレイションを相手に併せ馬。前半はかなり遅いペースで、コーナーでもそのラップは遅め。そんなこともあり、馬が頭を上げるシーンもあったが、直線に向いて促されると力強いフットワークでイレイションに並びかけた。馬のリズムを保ちつつ、やりすぎないことに徹したような追い切りで、時計以上に中身がある動きだったように思えるが、前走の最終追い切りと比較すると時計面ではかなり遅くなっているだけに、そこをどのように評価するかだろう。

 馬場差は相変わらず悪い状態が続いているので、9日、10日とも先週より時計を要する『+1.0秒』で馬場差を記録している。

 ポリトラック馬場は先週の時点で走りやすい馬場に戻っているが、それは今週も継続。10日に松山弘平騎手騎乗で単走追いだったアリノマンボ(栗東・柴田光陽厩舎)。楽に走っているように見えていたが、終わって時計を見ると6F77.3〜5F63.0〜4F48.8〜3F35.2〜1F11.4秒と速い。7月の未勝利を勝って以来の休み明けだが、3歳馬らしい成長を見せている印象。レースは11月13日(日)京都6R(ダート1800m・牝)を予定しているとのこと。

 馬場差に関しては、先週と変わらず9日、10日とも『-1.0秒』で記録している。

※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。

(取材・写真:井内利彰)

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