「マイルCS・G1」(20日、京都)
機は熟した。昨年の春にマイルへとシフト。あの
モーリスらとバトルを展開しながら瞬発力に磨きをかけてきた
サトノアラジンが、チャンプの座を射止めようとしている。絶対能力の高さは誰もが認めるところ。だが、これまでは、昨年のマイルCSは4着、今年の
安田記念も4着と、あと一歩が踏み出せずにいた。
それだけに、この秋こそという思いは強い。始動戦となったスワンSを大外から豪快な末脚を繰り出して制圧。本格化を告げる圧倒的なパフォーマンスで進化した姿を表現した。「前走に関してはトモの踏み込みが浅く、調教も本来の動きではありませんでした。いかにも休み明けという状態の中、ゲートも遅れましたが、全てをはね返してくれましたからね」。改めて力を再認識した、と池江師は話す。
状態は着実に上昇曲線を描いている。上積みの大きさを実感する日々だと指揮官は言う。「おなかのあたりが引き締まり、トモの踏み込みも深くなってきました。上積みはあります」。足りなかった何かを補える状態。完成型で挑める今回はより反応がシャープに。研ぎ澄まされた末脚には全てを覆す力が宿る。
「種牡馬にしないといけない馬ですからね。何とかG1のタイトルを取らせてあげたい。そう思っています」。トレーナーは覚悟を持って大一番へと送り出す。
提供:デイリースポーツ