今週の栗東は21日の夕方から雨が降り、22日は曇り。23日は晴れて、夜は再び雲行きが怪しくなり、夜遅くに雨が降ったという感じ。24日は曇りだったが、前夜の雨の影響はさほど受けていない。
24日は東京都心で初雪が観測される寒さとなっているが、栗東も寒いといっても例年と変わらない。この時期になってくると、気温が上がらずに馬体を絞りにくいといった意見を聞くことも多くなるが、今のところは冬らしいコメントを聞くことはない。
【坂路/4F51.9秒】
23日。4F50.4秒が2頭いて、
エイシンヒカリ(栗東・坂口正則厩舎)と
ダノンリバティ(栗東・
音無秀孝厩舎)。どちらもやればこのくらいの数字は出る馬ではあるが、ここまで速い時計をマークできるということは走りやすい状態であることは間違いない。ただし、2頭ともラスト1Fは13秒台なので、極端に時計が出る馬場状態というわけでもなさそう。
動きで目立ったのは、
チャンピオンズC(12月4日・中京ダート1800m)の1週前追い切りを行った
アポロケンタッキー(栗東・山内研二厩舎)。
ダンツプリウスとの併せ馬だったが、馬の行きっぷりが抜群で、鞍上の
松若風馬騎手がその勢いを抑えるのに苦労するくらい。前走は最終追い切りで自己ベストを更新して、素晴らしい状態だったと思うが、この動きを見せられると、勝って更に動作が機敏になっている。
24日。新馬、
新潟2歳Sと連勝した
ヴゼットジョリー(栗東・
中内田充正厩舎)が阪神JF(12月11日・阪神芝1600m)に向けた2週前追い切りを行っている。
バニーテールを2秒近く追走する形だったが、1Fごとにその差を詰めていく感じ。最後はきっちり追いついて、しっかりと先着。時計は4F53.6〜3F38.6〜2F24.7〜1F12.5秒とやりすぎることもなく、軽すぎることもない、順調さを感じさせる内容だった。
先週の馬場差が「-0.8秒」。今週は先週ほど好時計が出ている印象はなく、特定の馬がかなり速い数字をマークしている印象。よって、今週は23日、24日とも『-0.3秒』で馬場差を記録している。
【CW/5F66.5秒】
23日。6F80秒を切る追い切りは少ないものの、6F82秒以下はかなりの頭数。ラスト1Fが12秒前半というパターンもそれなりの頭数がいて、決して時計が出にくい馬場状態ということはない。特に3Fで38秒を切ってきた頭数はかなり多く、前半で脚をため、後半スピードに乗せる走り方なら、それなりに速い時計が出ているといった感じ。
京阪杯の出走を予定している
エイシンスパルタン(栗東・
藤岡健一厩舎)は2コーナーから入場して単走で追い切り。前走は行きたがるところを見せて、ゴール前は失速気味だったが、今回は3F37.9〜1F12.2秒と終いがしっかりした走り。休み明けをひと叩きされての良化が顕著に表れた動きではないだろうか。
24日。11月19日に大山ヒルズから栗東へ帰厩した
アップトゥデイト(栗東・
佐々木晶三厩舎)が、12月23日(金・祝)に中山競馬場で行われる
中山大障害(芝4100m)に向けた追い切りを開始している。
障害コースで飛越練習をした後、コースへ出て単走の追い切り。6F標識では静だった走りも5F標識手前から動に変化。コーナーでは抜群のスピード乗りを見せていたが、行きたがるというよりも
パワーに任せた走り。ゴール前も軽快に駆け抜けており、時計は6F83.6〜5F65.6〜4F51.5〜3F38.9〜1F12.9秒と帰厩1本目から素晴らしい内容。今年は未勝利だが、このタイトルだけは譲れないといった感じ。
先週の馬場差は「-0.1秒」。全体的な時計の出方を見ると、馬場差の検討が非常に難しい。主観的な印象も含めると、ごく平均的な馬場で基準時計通りという感覚が強いので、今週は23日、24日とも馬場差を『±0.0秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場の追い切り頭数は、23日と24日を合わせて20頭以下。先週までに比べると、芝が荒れているという印象は少ない。23日は芝の塊が飛ぶシーンもほぼなかったが、24日は雨の影響で馬場が緩く、塊が飛んでいた。よって馬場差は23日を『±0.0秒』、24日を『+0.5秒』で記録している。
ポリトラック馬場は追い切り頭数が20頭を少し超えるくらい。時計の出方は水分を含んでいたこともあって、しっかりとグリップが利く走りやすい状態。馬場差は先週と変わらず23日、24日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)