最近、地方・
園田競馬場の重賞レース本馬場入場で替え歌を歌う実況アナウンサーがいる。同競馬場で実況をはじめて6年の三宅きみひとアナウンサーだ。
JRAの大レースでは格式高い口調がよく用いられる本馬場入場だが、三宅アナウンサーが歌いはじめたきっかけは高知から遠征してきた
イノセントワールドという馬だった。
「せっかくなのでMr.Childrenのその歌詞に合わせて紹介しようと思いました」
周囲からは「え、本当に歌った…」と驚かれた。しかし何度か続けるうちに、その様子が動画付でTwitterにアップされるなど徐々に話題を集めはじめ、定着した。(※過去の替え歌一覧は下記参照)
三宅アナウンサーの前職は獣医。資格を生かし、大阪市職員として食品衛生に関する業務に就いたが、一念発起。2008年、競馬実況アナウンサーとして地方・荒尾競馬場(廃止)でデビューし、現在は園田・
姫路競馬場で毎開催日に実況をしている。
「荒尾競馬場で廃止を経験したので、競馬場に少しでもファンが来てほしいという思いが常にあります」
地方競馬の馬券がIPATで買えるようになり売上は回復しつつある。しかし、競馬場に来るファンの数は依然寂しい日が多い。
「園田は名騎手が多くてレースが面白いです。私は歌は上手くないし、いい替え歌をつくれない時もありますが、これをきっかけに一人でも園田に興味を持ってくれたら嬉しいです」
もちろん賛否両論はある。「ふざけすぎ」と叱られることもあるが、根底には
地方競馬を見てほしいという気持ちがあった。
園田・姫路競馬には3名の実況アナウンサーがいる。次回の重賞を三宅アナウンサーが担当するかは未定だ。「もしかしたら今日、歌うかも?」と、ワクワクしながら重賞の馬券を買うのも楽しいかもしれない。
(取材・文:大恵陽子)
◆これまでの替え歌一覧◆
(レース名/馬名替え歌と紹介フレーズ)
・
のじぎく賞/
イノセントワールド「♪
イノセントワールド♪ 表彰台で会えると良いな
永森大智」(Mr.Children「innocent world」より)
・園田FCス
プリント/
エイシンアクロン「♪アクロンならハナ争いに自信が持てます♪
エイシンアクロン」(衣類用洗剤「アクロン」のCMより)
・園田
チャレンジカップ/
タッチデュール「今日も元気に!♪お願いタッチ タッチ
タッチデュール 笠松から〜♪」(岩崎良美「タッチ」より)
・
園田プリンセスカップ/
ナンネッタ「♪
ナンネッタってア〜イドル 園田のアイドル♪ への第一歩」(小泉今日子「なんてったってアイドル」より)
・兵庫
若駒賞/
バッチャミ「♪今すぐ
キスミー♪ これすなわちイ
タリア語で
バッチャミ」(LINDBERG「今すぐ
Kiss Me」より)
・兵庫
クイーンカップ/アルカナ
「♪今日は来るかな?差してくるかな?タタタ、
タンタン、タタタタン♪ アルカナ」(フジテレビ系「ごきげんよう」より)
・
兵庫ジュニアグランプリ/
ネコワールド「♪競馬場のネコは人気を集めて〜
武豊を後ろに乗せて 手綱を一杯握りしめて きっちり〜きっちり〜 勝ってく〜♪」(ゆず「夏色」より)