「
ジャパンカップ・G1」(27日、東京)
昨年よりも厚みを増した馬体、濃密な調教。4歳牝馬
ナイトフラワーが充実ぶりを存分に示した。24日、雪の舞う東京ダートで半マイル標識から12秒台のラップを踏み、直線半ばで緩める内容。表記上は8F107秒2-41秒7-18秒0だが、ラストは完全に流す走り。実質的には6F76秒台(ラスト1Fも13秒台)の猛爆時計だ。
昨年の来日時はこれほどまでに負荷をかけておらず、速くても14秒台のラップが中心。調整過程は間違いなく今年が上だろう。「すごく調子がいい。馬が喜んでいる」とシールゲン師も状態に納得顔を浮かべた。
勝負気配は外国馬でNo.1。昨年11着に敗れた直後からリベンジを視野に入れていたという。「環境が良く、距離も適している。去年は8枠18番でどうしようもなかったよ。それに直線ではスペースがなく、前へ出られなかった」とまさに消化不良の一戦。それでも勝ち馬と0秒5差なら、再び矛先を向けるのは当然かもしれない。
今回がラストラン。世界的な生産グループの
クールモアスタッドで種付けを行い、母国へ戻る。よく見られる日本で繁殖入り前の“顔見せ”とは違う。今年から該当海外G1競走(全24レース)の同年勝ち馬には、出走しただけで10万米ドルの褒賞金を交付。だが他の外国馬2頭とは違い、
ナイトフラワーに権利はない。確実に入手可能な
マネー目当てでもなく、勝利と栄冠だけを目指しての参戦だ。「今年は何とか勝ちたい」。95年ランド以来のドイツ馬Vへ、本気モードで挑む。
提供:デイリースポーツ