「チャンピオンズC・G1」(4日、中京)
関東馬が14年ぶりに凱歌を上げた。6番人気の
サウンドトゥルーが豪脚を繰り出してV。昨年の
東京大賞典に続く2度目のG1制覇を決めた。大野にとっては14年
スプリンターズS(
スノードラゴン)以来のJRA・G1勝利。同レースの関東馬Vは02年
イーグルカフェ以来の勝利となった(当時はJCダートの名称)。7連勝を狙った1番人気
アウォーディーは2着に敗れ、ダート転向後初黒星を喫した。
進路さえあけば末脚を発揮できる。昨年は馬群の壁で踏み遅れて3着。1年前の悔しさを糧に、己の武器を信じた
サウンドトゥルーが一気の差し切りを決めた。
先行押し切りを図る1番人気の
アウォーディーの外から一気に飛んできた。道中はほぼ最後方の内ラチ沿いを並走。4角〜直線入り口でも内ピッタリを回ってポジションを上げた。一様に抜け出しを計る先団が内に密集していくのを冷静に見極め、必要最小限の幅だけ外に出して坂下から一気に追いだした。
「ハマりましたね。置いて行かれないようにと思っていたが、ペースも速くて道中はリズム良く運べた」。大野は豪脚を発揮した直線を会心の笑みとともに振り返る。「手前を変えてからがすごかった。残り100メートルぐらいで前が止まりかけていたのが見えて、届くかなと。今年は完璧に乗れましたね」と胸を張った。
高木師は「詰まってもいいから内ピッタリを回ってこい」と指示した昨年を反省。週中から「大野に任せます」で通し、この日のパドックでも「任せるからな」と全権を委任した。「その分、責任を感じた」と鞍上。昨年の悔しさを完全に晴らし、「こんなに叫んだのは初めて」とトレーナーにからした声で言わせた。
馬の無事が前提だが、年末には連覇の懸かる
東京大賞典(29日・大井)が控える。「この時季は柔らかさ、
バランスが素晴らしい。年末も頑張ります。応援してください」と大野。「脚質的にも向いている。もう一段の上積みもあるはず」と高木師も自信を隠さない。
年が明ければ7歳だが、関係者の間では3月のドバイに遠征する夢も話題に挙がっているという。晩成のダートホースが、ここからさらに華々しいキャリアを積み上げていく。
提供:デイリースポーツ