「
香港カップ・香港G1」(11日、シャティン)
香港勢が日本勢に対してラ
イバル心をむき出しにした。現地表記で“天才”という名を持つ前哨戦の覇者
シークレットウェポンをはじめ、長らく香港の中距離路線で主力を形成してきた
デザインズオンローム、
ブレイジングスピード。地元の
プライドを胸に、強力な包囲網で日本馬を迎え撃つ。
“天才”と記された特殊ゼッケンが不気味に躍る。前哨戦のジョッキークラブCで銘柄級の
デザインズオンロームや
ブレイジングスピードを蹴散らしてV。台風の目として参戦する
シークレットウェポンが日本勢に牙をむく。
額の流星がきれいに輝き、しなやかな筋肉をまとった馬体。5月の
チャンピオンズマイルでは
モーリスの11着と大敗したが、同じ姿と思うなかれ。休養を挟んで迎えた今秋は8着、4着と尻上がりに調子を上げ、前哨戦で大物食いを成し遂げた。
6日の朝に早々と行った追い切りもまた豪快。迫力満点のス
トライドでシャティンの芝コースを6F79秒9-4F51秒1-2F24秒1で駆け抜けて僚馬に併入だ。新コンビのパートンも思わずうなる。「先週も乗っているけど、脚の出がスムーズになったよ。内容も予定通り。癖もなく、力は出せそうだ」と手応えを隠さない。
パートンと言えば香港リーディング上位の常連であり、来日経験も持つ。15年
エアロヴェロシティで制した
高松宮記念は日本のファンも記憶に新しいところ。「前走はなかなか強い競馬」と素質を見抜いていた馬が、鞍上ローウィラーの騎乗停止により巡ってきた。
「日本馬は強いよ。(国際レースを)4つ勝つんじゃないか」と答えた後、「具体的にどの馬?」という報道陣の問いには笑顔でスルー。リップサービスとも思えるこの姿勢が何とも不気味。レーティングは115
ポンドと低くても“天才”は要警戒だ。
提供:デイリースポーツ