「AJCC・G2」(22日、中山)
長距離界に新星誕生だ。7番人気の5歳馬
タンタアレグリアが直線内から抜け出して待望の重賞初制覇。1番人気の
ゼーヴィントの追撃を半馬身抑えた。先に抜け出した3番人気
ミライヘノツバサが粘り込んで3着。4番人気の紅一点
シングウィズジョイは4角で転倒、落馬して競走を中止。予後不良となった。
9カ月ぶりも関係なかった。関東期待の長距離砲
タンタアレグリアが、完璧な内容で反撃ののろしを上げた。
シナリオ通りの競馬だった。序盤は中団の内めと絶好のポジションを確保。「最初から内に潜っていきたいと思っていた。でも、そんなにうまくいくことはないからね。きょうは珍しいケース。ずっと内があいてたからね」と蛯名はしてやったり。先に抜け出した
ミライヘノツバサの内からこん身の力で追いだすと、最後は外から猛追する
ゼーヴィントを半馬身振り切った。
もともと潜在能力の高さには評価を得ていた一頭。5歳になって待望のタイトルを手にした。「まだ子ども子どもしているけど、だいぶ気持ちの面では成長してきたね」と鞍上は目を細める。「良くなるのは古馬になってから」と話してきた国枝師は、自身にとっても15年富士S(
ダノンプラチナ)以来、1年3カ月ぶりの重賞Vだけに「体もひと回り大きくなったし、まだまだ変わってくるよ」と笑いが止まらない。
菊花賞、昨春の天皇賞といずれも後じんを拝した同期の
キタサンブラックは
年度代表馬へ上り詰めた。長期の休養ですっかり後れは取ったが、「今年はコンスタントに使っていきたい。現時点であえて注文はない。このまま順調に」とリベンジを楽しみにする。
次走は
阪神大賞典(3月19日・阪神)が有力だが、この春の大目標はもちろん、
キタサンブラックも参戦を予定する
天皇賞・春(4月30日・京都)だ。遅咲きの逸材が、いよいよ本格化への道をひた走る。
提供:デイリースポーツ