「
中山牝馬S・G3」(12日、中山)
近年では07年
マイネサマンサ、09年
キストゥヘヴンが、このレースで見事に有終Vを決めた。今回、ラストランを迎えるのは重賞2勝馬
マジックタイムだ。仕上がりについては万全。得意の中山で最高のパフォーマンスを発揮し、引退の花道を飾ってみせるか。
志半ばにして、その“時”を迎えてしまった。昨年末の
ターコイズSで2度目のタイトルを獲得した
マジックタイム。年が明けて迎えた6歳の春、数多くの
一口馬主らに支えられてきた同馬にとっては、クラブの規約で引退を迎える時期となった。中川師もこの話に触れると「そうなんだよね。調教のパターンも確立して、完成形に近づいてきたんだけど…」と、歯がゆい表情を見せた。
13年7月の福島でデビュー。翌年5月、2度目のG1挑戦となった
オークスでは13着と惨敗したが、2桁着順に敗れたのは生涯、これが一度だけ。成長を促しながら、大事に育てられてきたのが実を結び、ようやく4歳秋から5歳にかけて素質が開花した。重賞初Vとなったダービー卿CTで
ロゴタイプを撃破すれば、
ヴィクトリアマイル、
マイルCSの両マイルG1でも接戦を演じた。
ラストランの舞台は2つの重賞を制した中山競馬場。もうひと花咲かせるには打ってつけだろう。「前走と同じ斤量(56キロ)は妥当でしょう。いい形で繁殖生活に送り出してやりたい」と指揮官は力が入る。決して老け込んではいない。むしろ今こそが充実期だ。狙うは重賞2連勝。最高のパフォーマンスで現役生活を締めくくり、次なる大仕事へ弾みをつけたい。
提供:デイリースポーツ