「フィリーズR・G2」(12日、阪神)
悲願達成へ。開業3年目の
西村真幸調教師(41)=栗東=が、
クインズサリナと
ビーカーリーの2頭出しで
JRA重賞初制覇を目指す。過去15回の重賞挑戦は昨年の
ファンタジーS(
クインズサリナ)4着が最高着順だが、キャリアを重ねつつ、厩舎力はレベルアップしている。昨年の2歳G1にチャレンジさせた期待馬2頭を送り込む今回、待望の重賞タイトルを手に入れたい。
ひとつずつ壁を乗り越える。15年の
白山大賞典(金沢)を
マイネルバイカで制した西村厩舎だが、
JRAではノンタイトルだ。初年度に10勝(うち地方1勝)を挙げ、2年目の昨年は倍の20勝。厩舎力は着実にレベルアップしているだけに、このあたりで
JRAでの重賞をゲットして、箔(はく)を付けたいところだ。
さらなる高みを目指し、西村師は野心を隠さない。「重賞を獲っていかないと、将来的にG1へ挑むことができない。ダービーや、
ジャパンCなどの大舞台にね」。当面の狙いは3歳牝馬が集う
桜花賞。腕ぶす今週、
トライアルに期待馬2頭を送り込み、G1切符を獲りにいく。
クインズサリナは昨年の阪神JF15着後、放牧に出してリフレッシュ。「2走前はたまたま出遅れたが、しまいは目を引く伸び脚。ああいう競馬ができたのは収穫だった。自在性があるけど、極端な競馬の方が力を出せるのかな。展開がハマれば面白いかも」。始動戦をここに定め、出走態勢は万全だ。
一方、
ビーカーリーは在厩調整で順調に乗り込まれてきた。「食いがいいので、調整に関しては悩むことがない。根性があって頼もしい。和田も能力を感じてくれている。千六もこなせるはず」。混戦になればなるほど力を発揮するタイプだ。
挑戦する舞台は、リベンジの場でもある。「去年は
ソーディヴァインで挑み5着。今年は2頭でチャンスを頂いた。両馬ともにG1で走った経験を生かせれば」。
JRA重賞初制覇、そして初のクラシック参戦-。待望の瞬間はそう遠くはないはずだ。
提供:デイリースポーツ