今週の栗東はまだまだ寒さが厳しく、15日は調教時間中に雪が降ったくらい。その15日は雨も降ったり、時には晴れたりと目まぐるしく天候が変わる不思議な天気。馬場状態に関しては、前夜にそれなりの雨量があったこと、調教時間中にも雨が降ったことで少し影響を受けている。
なお、今週は20日に競馬開催(中山、中京)があることで、追い切りが15日と16日に分散。通常ならほとんど追い切りが行われない17日にも多少、20日のレースを予定している組の追い切りがありそう。16日の正午時点でかなり青空が広がっており、17日の追い切りに関しては少し馬場差が変化してくるかも知れない。
【坂路/4F51.9秒】
15日。一番時計は
ティーハーフ(栗東・西浦勝一厩舎)と
キャプテンシップ(栗東・
森秀行厩舎)の4F50.4秒。その次が4F50.7秒が2頭いるだけで、あとは4F51秒台となっている。
前日のトレセンニュースでお伝えした
シュウジ(栗東・
須貝尚介厩舎)のように、4F51.2秒、1F11.7秒と素晴らしい
バランスのラップを踏んだ馬もいるだけに、決して走りにくい状態というわけではないだろうが、先週までと比較すると、雨の影響を受けた馬場と判断してよさそう。
シュウジ同様、素晴らしい動きを見せたのは、今週の
若葉Sに出走を予定している
サンライズノヴァ(栗東・
音無秀孝厩舎)。4F51.5秒は自己ベストを0.1秒更新しており、2F24.4秒、1F12.1秒でラストが最速になるラップも素晴らしい。しかもこれを余力ある状態でマークしているのだから、状態に関しては前走以上。あとは初めてとなる芝への対応だけだろう。
16日。一番時計は
高松宮記念(3月26日・中京)の1週前追い切りを行った
フィエロ(栗東・
藤原英昭厩舎)がマークした4F49.2秒。
内田博幸騎手が跨り、単走だったが、道中は2F目と3F目に11秒台のラップを刻み、最後の4F目は無理しない形だったこともあって、13.0秒を要した。これまでの自己ベストは4F51.4秒なので、この追い切りは2.2秒も自己ベストを更新したことになる。この中間はあまり速い時計を出さずに、1本1本丁寧な印象を受けていただけに、このスピード調教がどのような効果を生むのか。初めてのス
プリント戦への対応という意味ではよいかも知れないが、とにかく次週の最終追い切りも含めて、今後の調整過程を見守っていきたい。
先週の馬場差は「-0.6秒」。本文にも記したように、15日は雨の影響を受けて、確実に先週よりは時計が出にくい状態。よって、15日、16日ともに馬場差は『-0.4秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
15日。先週までは時計の出る、かなり走りやすい馬場状態だったが、今週は14日夜の雨の影響もあり、少し時計を要する状態になっている。これは全体的な時計の出方を見ても間違いなさそう。
時計はさほど目立たなかったが、
ディープエクシードと併せた
インカンテーション(栗東・
羽月友彦厩舎)の動きが印象に残った。先行していた分、先着して当然といったところだが、相手は栗東でも一番、二番といってよいほどCWでの追い切りは動く馬。それを相手に最後はおいでおいで状態。
フェブラリーSでの思い切ったレースが功を奏したのか、馬自身に走る気持ちが漲っているようにも見える。
16日。重賞では3走して結果が出ていない
ヤマカツライデン(栗東・池添兼雄厩舎)だが、
松山弘平騎手が跨った単走追い切りは抜群。時計は6F80.3〜5F66.0〜4F51.8〜3F38.1〜1F12.1秒を余力十分にマーク。これだけ動けて、レースで結果が出ないのはなぜだろうと考えたくなるくらい。6F81.9〜5F66.6〜4F51.5〜3F37.2〜1F11.8秒で素晴らしい動きを見せた
テイエムタイホー(栗東・
鈴木孝志厩舎)も同様。
先週の馬場差は「-1.0秒」。こちらも坂路馬場同様、先週と比較して時計を要する状態。よって、15日、16日とも先週と同じ『-0.5秒』の馬場差で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は15日に
中内田充正厩舎の併せ馬のみ。馬場状態に関しては、14日に雨が降ったものの、極端に走りにくいという状態ではなかった。よって馬場差には14日、15日とも『+0.5秒』と先週よりは走りやすい数字で記録した。
ポリトラック馬場の追い切り頭数は先週より少ない。速い時計を出している馬も少ないだけに、馬場差の判定も難しいところだが、見ている限りは最近と変わらない状態。よって、馬場差は15日、16日とも『-1.0秒』で馬場差を記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)