園田競馬場に和テイストの新スポット「お座敷投票所」が3月21日、オープンする。それに先駆け16日、マスコミ・関係者に向けてお披露目会が行われ、
園田競馬場初導入のキャッシュレス投票も公開された。
「お座敷投票所」はスタンドとパドックの間にできた新しい建物。靴を脱いで入ると、大きな窓からはパドックを周回する馬が見え、床暖房の効いた畳や座椅子・テーブルなどの内装は温泉の湯上がり処のような寛げる雰囲気になっている。約150名収容可能の自由席で、カウンター席にはコンセントも配備。男性だけでなく、荷物が多くなりがちな女性にとってもゆっくり競馬を楽しめる場所になりそうだ。利用は無料で、入場に際しキャッシュレス投票カード「DASH-pay」が必要となるが、身分証明書の提示で即日・無料で発行できる。
先日コラムで紹介した高知競馬のキャッシュレス投票システムと同じものを導入し、何度も小銭の出し入れをせずとも電子
マネーのような感覚で馬券購入ができる。
地方競馬の馬券が
JRAのIPATで購入できるようになった2012年10月以降、園田・姫路競馬の売り上げは毎年、前年比110%以上で推移しているが、現状について同投票所の担当者はこう話す。
「いま在宅投票が占める割合は全体の約60%もあり、おかげさまで売り上げは上がりました。しかし、競馬場に来ていただけるお客様のことも大切にしないといけないと思っています。私たちが色んな所に行った時に『快適に過ごせる場所が欲しい』と感じていたので、和室を作ろうという運びになりました。キャッシュレス投票機は場所を問わず設置できるので、わざわざ靴を履いて投票所から出なくても馬券が買えるようにしています。今後はキャッシュレス投票を利用した際に競馬場の無料入場券を発行したり近隣店舗で使えるクーポンの発券などを考えています」
現在行われているスタンド耐震工事に合わせ、順次場内各所にキャッシュレス投票機を設置していく方針だという。
平日開催が中心の
園田競馬場。競馬場に足を運んでくださる方に少しでも快適に過ごしていただくため、そして減り続けている入場者を取り戻すため、スタンドとともに生まれ変わろうとしている。
(取材・文・写真 大恵 陽子)