「
阪神大賞典・G2」(19日、阪神)
単勝1.1倍の圧倒的1番人気に支持された
サトノダイヤモンドが完勝。後方から測ったように差し切り、前年の覇者
シュヴァルグランを力でねじ伏せた。走破タイムの3分2秒6は、コースレコードに0秒1差迫る好時計。一層輝きを増した
グランプリホースは、堂々と次戦の
天皇賞・春(4月30日・京都)へ駒を進める。
前途洋々。ルメールのシンプルな言葉が全てを物語っていた。「
サトノダイヤモンドは今年も強いです!」。これぞミスターサラ
ブレット。ブロンズ像のような完璧な馬体をはずませ、
グランプリホースが今季初戦をきっちりとモノにした。
出入りの激しい展開にも動じることなく、道中は後方を追走。右前方を走る前年覇者を徹底マークし、2周目向正面から動きだした。直線で並びかけ、右ステッキを一発放つと余裕の手応えで突き放す。1馬身半差をつけての完勝劇は、01年
ナリタトップロードが記録したコースレコードにコンマ1秒と迫る秀逸さ。前哨戦から圧倒的な存在感を見せつけた。
飛躍を誓う17年。初戦をVへと導いた鞍上は「
パワーと瞬発力を兼ね備えている馬。きょうも能力を発揮してくれた。
シュヴァルグランは強い馬ですが、結構楽に勝てました。次走も楽しみです」と確かな手応えを抱き、額の汗を拭った。
戦況を見守った池江師も納得の表情だ。「ちょっと力んでいるところはあったが許容範囲。一回使ってグンと変わるタイプ。そのなかで結果も良かった。合格点かな」。レース以外の場面もくまなくチェック。「メンタル的に成長しています。装鞍所も結構落ち着いていたし、馬場入りも常歩で歩けた。
菊花賞の時とは違った」。勝利を宿命づけられた超良血馬が、着実に完成の域に近づいてきた。
次なる
ターゲットは
天皇賞・春。放牧へは出さず、在厩調整で盾の称号を獲りに行く。「幸先いいね。視界良好じゃないですか」とトレーナー。まずは国内制圧。そして、夢は世界へ-。ダイヤモンドがさらに輝きを増していく。
提供:デイリースポーツ