高松宮記念(GI・芝1200m)に
トーキングドラム(牡7)と
ワンスインナムーン(牝4)の2頭を送り込む
斎藤誠厩舎。管理する斎藤調教師の共同記者会見が、美浦トレーニングセンターで行われた。
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トーキングドラム(前走の
阪急杯は7歳で重賞初制覇だったが?)
「同日に
中山記念(
ヌーヴォレコルトが出走)がありましたので、中山で観戦しておりました。調子が良いのは調教の時からわかっていましたし、何かあるのではないかなと思って、急遽助手を送ったくらいのデキでしたので、現実となってとても嬉しかったです」
(これまで2年近い休養があったが?)
「デビュー前にボーンシスト(骨嚢胞)という病気になりました。それが現役中にも再発して1年9か月もかかってしまいましたが、諦めなかったオーナーの我慢の成果だと思います」
(馬体はフレッシュな感じを保っている?)
「まだ馬は若く、使い込むことによって本格化してきましたし、とても楽しみだと思っていた矢先の勝利でした。7歳ですけど、これからが楽しみです」
(前走後は
高松宮記念参戦は明言していなかったが?)
「関西圏での競馬が続いて輸送もありましたし、少し休ませてあげようかなと考えていましたが、様子を見ているうちに馬の方も元気が出てきて、参戦の意欲も出てきましたので、出走を決めました」
(前走後の調整過程は?)
「さすがに
阪急杯の後は疲れが少しあって、いつもより長く回復期間をおきましたけれど、高松宮に行けるくらい十分に回復を見せてくれました。ここまでは思うように来ています」
(1週前と今日の追い切りについて)
「1週前は藤岡康太君に栗東から来てもらいまして、気合いをつける意味で少し強めをやりました。長めから行って、終い抜けるという1週前としては思った通りのとても良い動きでした。今週はあまりやり過ぎないように持ち乗りの助手が乗って、指示通り(ウッドで5F)69秒程度のところを終い気合いつけるくらいでうまく調整ができたと思います」
(外に併せた馬との手応えの差が歴然だったが?)
「あまりやり過ぎないことを念頭に置いておりますので、ビュッと抜けてしまわなければいいなと思っていたのですが、我慢してくれたのでそこは思い通りでした」
(
高松宮記念へのイメージは?)
「前走を見る前までは、あんなに根性があるとは思っていませんでした。先行するというのがこの子の戦法だと思っていましたが、前走は良い意味で期待を裏切ってくれました。狭いところから抜け出す根性もありますし、後ろで我慢することもできましたし、前走は大きな収穫がありましたので、それを今回に生かしてもらいたいなと思います。今回も良い意味でなら、期待を裏切ってほしいなと思います」
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ワンスインナムーン(重賞初出走の前走、
京都牝馬Sで2着だったが?)
「順調に勝ち上がってきた上がり馬ということで、重賞に挑戦しました。ジョッキーは攻め馬からずっと乗っている
石橋脩で、二人三脚でみんなで作ってきた馬ですし、ジョッキーの進言があって京都の1400mならということで、距離を1ハロン延ばしたのですが、結果が出たのは非常に良かったと思います」
(そういうプロセス、結果を踏まえてのGI出走となれば力が入る?)
「前走後は
ヴィクトリアマイルを目指して、少し充電期間を置こうと思ったのですけど、状態も良いですし、1200mのポテンシャルは高いので参戦を決めました」
(日ごと成長が見られる?)
「馬体が本格化するのはまだまだ先だと思いますし、今は持っているスピードを生かして能力だけで競馬をしていますが、戦えるだけの能力はあると思っています」
(このレースに向けての印象は?)
「
ヴィクトリアマイルに向けて距離を試してみたくて前走は距離を延ばしましたけど、元々は1200mの馬だと思っていますので、ここであっと驚く走りを見せてくれないかなと思っています。2頭が同着で1着になると嬉しいです(笑)」
(
ヌーヴォレコルトが引退して、厩舎にとって新たな
ヒロインの期待がかかるが?)
「何年かはヌーヴォ先輩が大黒柱でやってきてくれたので、ここで新旧交代になってくれると良いと思います」
(昨年の高松宮は時計が速い決着だったが、時計勝負に関しては?)
「スタートもうまくレースも上手な子なので、スピード勝負には対応できると思いますし、そのあたりに期待しています。(2頭とも)あまり人気はないですけど、頑張るように言っておきます」
(取材・写真:佐々木祥恵)