調教開始時間はまだ肌寒い栗東トレセン。ただ、調教時間も後半、9時をすぎると日照状況によっては、汗をかいてしまうくらい。来週から4月になるが、いよいよ春が近づいてきているといったところだろう。
馬場状態に関しては、雨が降ることもあったが、ここ最近と大きく変わるほどの影響はない。気温の上昇とともに動ける状態になってきたという馬も少なくないだけに、馬場なのか、馬の状態なのか。時計が出た要因をきっちりと区別することが予想や馬券にも影響を与えることになりそう。
【坂路/4F51.9秒】
29日。一番時計はセセリ(栗東・
森秀行厩舎)と
ブルミラコロ(栗東・
大久保龍志厩舎)の4F49.6秒。この2頭は前者が朝一番、後者が2回目のハロー終了直後と時計が出やすい状態での追い切りだっただけに、走りやすい馬場が要因だろう。
しかし4F49.9秒をマークした
アスタースウィング(栗東・
中竹和也厩舎)は朝一番で追い切りが殺到し、馬場が踏み荒らされた後の時間帯。そこを1F目から4F目まで12秒台のラップを刻み続けた内容は素晴らしい。今週は初芝となる
マーガレットSに登録しており、予想については判断の難しいところがあるが、この時計をマークした脚力は間違いなく評価すべきだろう。
30日。一番時計は4F48.7秒の
スペシャルギフト(栗東・
須貝尚介厩舎)。2F目11.8秒、3F目11.6秒はかなり速く、これが全体の速さにも影響している。これと同厩
ブラヴィッシモが4F49.7秒をマークしており、この2頭が抜けて速い。しかし、木曜日ということもあって、追い切り頭数が少ないこともあるので、前日同様に走りやすい状態だろう。
先週23日は「-0.2秒」と基準時計に近づく馬場差になっていたが、今週は4F49秒台が5頭など全体的な時計の出方を見ても、速い数字が出ている。よって馬場差は29日、30日とも『-0.6秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
29日。馬場状態に関しては坂路と似たような感じ。先週に比べると時計が出やすい状態であることは間違いない。ただ、力のない馬が前半6Fから飛ばしていくと、やはり最後は止まり気味になっており、極端に時計が出やすい馬場という感じでもない。
素晴らしい動きを見せたのが、
田辺裕信騎手が跨った
アッフィラート(栗東・
藤原英昭厩舎)。1回目のハローが終了した時間帯ということで、走りやすい状態だったことは間違いない。しかし、それを差し引いても6F79.3〜5F64.8〜4F50.6〜3F36.9〜1F12.5秒という時計は素晴らしいコーナーでの加速力を示している。キャリア6戦の4歳牝馬だが、今年は大きな飛躍が待っているのではないだろうか。
30日。
大阪杯の最終追い切りを行った
ステファノス(栗東・
藤原英昭厩舎)。こちらも1回目のハローが終了した時間帯。
ファントムライトとともに向正面から入場しての追い切りだったが、馬場に入って最初の1F目は遅いラップ。ただコーナーではしっかり加速されており、最後の直線も楽々と前を交わして先着のゴール。時計は5F65.8〜4F50.4〜3F36.2〜1F11.7秒。
半マイルはかなり速い数字だが、追い切りで動く馬ということを考えれば、このくらいは出ても当然。それよりも気負いなく走れていた点が良かったし、馬場を1周半する追い切りではなく、5F追いにした点も好結果につながってきそう。
先週23日の馬場差は「-0.5秒」。全体的な時計の出方を見ると、23日とさほど変わりない。よって今週の馬場差は29日、30日ともに『-0.6秒』の馬場差で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週は29日、30日とも芝馬場での追い切りを確認できていない。ちなみに先週の馬場差は「+0.5秒」だったので、状態は変わりないと判断して、今週29日、30日も『+0.5秒』の馬場差で記録した。
ポリトラック馬場は29日も30日も追い切り頭数は少ない。30日に
リッチーリッチー(栗東・
友道康夫厩舎)が単走で追い切り、道中飛ばすラップを刻んで、最後は失速気味にも見えたが、時計は6F77.7〜5F63.3〜4F49.1〜3F36.3〜1F11.8秒と速い。やはりかなり走りやすい馬場であることは変わっておらず、馬場差は29日、30日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)