トライアルの
スプリングS(GII)を快勝して
皐月賞(GI・芝2000m)に出走する
ウインブライト(牡3・美浦・
畠山吉宏)。
松岡正海騎手が手綱を取って、ウッドチップコースで最終追い切りを消化。追い切り後に畠山調教師と松岡騎手が共同記者会見に臨んだ。
■
畠山吉宏調教師
(前走の
スプリングS・1着を振り返って)
「
トライアル、最低3着という目標でやってきたのですが、それが最高の形で権利を取ることができたので、本当に良かったと思います」
(この中間の調整は?)
「上がって来て馬に大きなダメージ、変調がなかったので、普段通りの攻め馬で組み立てていきました」
(前回、馬体重が減っていたが?)
「500万の
若竹賞を勝って放牧に出まして、
スプリングSを逆算して戻してきた時の馬体重が460キロ台でした。そこから調教を積みながらも、毎週少しずつ増えていました。ただレース当日の減りがある程度はある馬で、
スプリングSの時は多めに減ったのは確かですが、それは範囲内だったと思いますし、結果があのようなレースでしたから、その部分も心配していないです。
前走後も飼い葉食いの落ちは全くないですし、週に2キロ、3キロずつ増えています。それも馬体回復に専念するというよりは、調教のパターンも変えず、追い切りをこなしながら増えてくれています。今週始めで470ちょっとくらいの体重がありましたし、今週もしっかり追い切っていますから、前走と大きな変わりがなく出走できると思います」
(松岡騎手騎乗での今日の追い切りだったが、出した指示は?)
「1頭前に古馬を置いて、前半は折り合い重視で、終いの反応を試すというようないつものパターンで調教をしました」
(中山コースはマイルで2着、1800m戦で2連勝だが、中山の適性は?)
「結果が示すように中山コースは上手に走れていると思います。今回は前走から1ハロン延びて2000mになりますが、前走、2走前の感じを見れば全く問題ないと思っております」
(相手関係については?)
「初めて対戦する馬たちもいますし、まして更にメンバーも強くなりますが、不利なく自分の競馬ができれば遜色はないと思っております」
(ある程度中団から早めに動いて差す形が何度かあるが、
皐月賞での作戦は?)
「まだ枠順も出ていませんし、ジョッキーの手の内に入っていますから、ジョッキーに任せる感じで良いと思います」
(希望する枠順は?)
「特にはないですね。枠については、心配はしておりません」
(レースへの抱負を)
「この中間も馬はとても元気に調整をすることができました。当日も良いレースができると思いますので、応援よろしくお願い致します」
■松岡騎手
(前走の
スプリングS・1着を振り返って)
「まだ馬に競馬を教えている段階なので、課題を持ってレースをしたのですけど、うまくいったと思います」
(課題というのは?)
「お姉ちゃん(
ウインファビラス)と一緒で前向きな気性なので、前半うまくなだめてあげるというのが
ステップの1つ目、そこから一気に
トップギアにならないように徐々に加速していくというのが2つ目、最後に馬を交わしてからソラを使わせないというのが3つ目の
ステップでした。そのように徐々にやってきたつもりですし、
スプリングSでは動き出しも徐々に滑らかになっていました。
2走前の
若竹賞(500万下・1着)の時は指示に対して少し反応が良すぎるところがあったのですけど、そのあたりも段々滑らかになってきていて、ガソリンの使い方を覚えさせていくというのが僕はこの馬にとっての課題だなと思っています。お姉ちゃんで失敗したことが大きかったですね」
(今日の追い切りは?また調教師からの指示は?)
「非常に良い動きでした。毎週コミュニケーションを取っているので、そんなに指示はなかったですが、いつも相談する形を先生は取ってくれます」
(前走は馬体重が減っていたが?)
「体は多分戻っていると思います。追い切り前で470キロ以上あるという話を聞いていましたので、今日も終いは軽すぎないようにしましたし、それだけ追えるということは体に不安がない証拠ととらえてもらって良いと思います。張りも戻っているし、毛ヅヤも良いし、状態はどこを取っても前走以上だと思います」
(体の緩さについては?)
「乗った感じは幼いなと思うところがまだあります。重賞常連の馬特有の重厚感というのが乗っていてまだ物足りないです。そういうのがついてきそうな雰囲気はありますし、完成されるのは古馬になってからなのかなという感じがしますね。そこまで成長を促していけるかが大事だと思います」
(前走から距離延長の2000m戦については?)
「1回も走ったことのない距離ですが、乗っている感触からは不安は感じないですね」
(中山での2連勝は外めでコーナーから動いていく形のレースだったが、今回は?)
「競馬に行ってみないとわからないですけど、いろいろなパターンを想定しています」
(希望の枠順は?)
「自分で決められないので、何番でも良いです」
(雨予報が出ているが、道悪については)
「そんなに苦手な方ではないと思うので、もしすごい道悪になって皆が外を回るのだったら、
ゴールドシップのように内を回る競馬も考えています」
(松岡騎手といえば
サンツェッペリンでの2着がちょうど10年前になるが、今回は?)
「
サンツェッペリンや
マイネルチャールズなど、この時期になると思い出す馬がいるので、そのくらいの着順を目指したいと思います」
(最後にファンにメッセージを)
「初めて対戦する馬もいますし、何とも言えないのですけど、自分の描いてきた競馬を大きな舞台でできるよう頑張りたいと思います」
(取材・写真:佐々木祥恵)