ファンディーナをどう扱うか。これこそが今年の
皐月賞の肝に間違いなかろう。牡馬相手でも能力はずぬけているのか、はたまたモマれて沈んでしまうのか。栗東の関係者の間でも、この馬の評価は真っ二つだ。
「まともに走れば
皐月賞は
ファンディーナのレース。それくらい、あの馬は抜けている。仮に自分が管理していたら
桜花賞を使って、無敗のまま引退させていたかも。なかなかあれだけの馬はいないよ」とは
マイスタイルで
皐月賞に臨む昆調教師。
これとは対照的な見解なのは、
ファンディーナが前回勝った
フラワーCに管理馬を出走させていた某関係者で「前回は重賞といっても、ほとんどが1勝馬。確かに強かったけど、スンナリしたレース展開も良かったんだろう。
皐月賞はあんな競馬には、まずならないだろうからね」
ではどんな競馬になるのか? 某関係者は「ペースも速くなるだろうし、
ファンディーナがモマれ込む恐れは十分にある。先週の馬場を見ても内はかなり悪くなっているだろうし、一筋縄ではいかないはずだよ。ゴール前でじっくり脚をためていた馬が台頭する、外差しの展開になるんじゃないのかな」と続けた。
仮に牡馬の一線級にモマれて敗れてしまったとしても、
ファンディーナの評価を過剰に下げる必要はないのだろうが、仮に勝つようなら、それこそ歴史的な快挙となる。2007年の
日本ダービーを勝った
ウオッカのラ
イバルであった
ダイワスカーレットを管理していた松田調教師は、こう口にした。
「あの年の
ウオッカは
ダイワスカーレットという強敵がいたから、
オークスではなくダービーに向かった。今回の
ファンディーナがどういう意図で
皐月賞に行ったのか。そのあたりも重要でしょうね。牡馬に比べて2キロ軽いわけですし、そこも大きいと思いますよ」
過去30年で無敗のまま
皐月賞を制したのは
トウカイテイオー、
ミホノブルボン、
アグネスタキオン、
ディープインパクト…いずれも歴史に名を残す名馬ばかり。それを牝馬がやってのけるのか。今年の
皐月賞が大いに盛り上がることだけは間違いない。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ