「
中山グランドジャンプ、JG1」(15日、中山)
勢いは止まらない。現役最強のハードル王が、圧巻の走りでJG1・3連勝を決めた。
最終障害を前にしても、
オジュウチョウサンの手綱はまだビンビンにうなっていた。あまりの手応えの良さに4角手前で先頭へ。後ろから迫る
サンレイデュークの鞍上は一杯に手が動いている。「勝った!」。相棒の背中で石神は早々に確信した。「サンレイは切れるイメージ。でも、オジュウがもっと切れましたね。並んだ時の根性もすごい」。最後は馬なりで流して、王者の貫禄を示した。
万事が順調だったわけではない。1週前、主戦は乗り味の硬さを感じていた。和田郎師も「いつもより間が短くて、疲れの回復と仕上げのサジ加減を模索した」と振り返る。乗り越えたのはスタッフとの密なコンタクトだった。「厩務員さんともよく話して、できる治療もすぐしてもらった。週明けに乗ったらしっかり立て直されていた」と石神は笑みを浮かべる。
昨春の
中山GJから障害重賞6連勝。自身の記録を更新し、
カラジ(豪州)の持つJ・G1最多3勝にも並んだ。いったいどこまで強くなるのだろう。その秋に向けて、王者はひとまず休息に入る。
提供:デイリースポーツ