「坂路3本乗り」が話題になった
大阪杯時の
キタサンブラック。ひと叩きして中3週での出走となる今回は、さすがにそこまでのハードトレは課していないようにも見えるが…。“真実”はそうではない。調教時計としては表れないところで、中間も鍛えるところはきっちり鍛えているのだ。
「この中間、坂路3本は乗っていませんが、ウッドで2周半の調教はやっていますからね。これも結構、負荷がかかる調教なんですよ」とは担当の辻田厩務員。
坂路800メートルを3セット乗るのもハードだが、1周1800メートルのウッドで2周半のキャンターを行うのも、負けず劣らずハードな内容。かつて松田博厩舎がウッド2周の調教で馬を鍛え上げていたのは有名な話だが、それをも上回る。そんな攻めの調教を
キタサンブラックはこの中間もこなしているのだ。
「坂路3本の場合は途中で
インターバルがあるけど、ウッド2周半はそれがないから、こっちの方が馬にとってはしんどいはず、と調教役も話していました」(辻田厩務員)
坂路3本なら単純計算800×3で合計距離は2400メートルだが、ウッド2周半となれば4500メートルと走行距離はほぼ倍。休憩なしでこれを走り切るのだから、やはりトレーニングとしては相当きつい。そんな調教をしても「へこたれるようなところを見せず、
テンションも上がっていないんです。これが叩いた分の効果なんでしょうか。力をつけているんだと思いますし、本当にたいした馬です」と辻田厩務員。
坂路3本乗りはしていなくても、“鍛えまくって強くする”
キタサンブラックの調教方針は今回も変わっていない。しかも
テンションが上がって中間、緩めた時期があった前走時より、調整過程は上とあれば、連覇の可能性は極めて高いのでは。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ