「
日本ダービー・G1」(28日、東京)
青葉賞組はダービーを勝てない-。そんなジンクスも、この馬なら打ち破りそうだ。
アドミラブルは24日、栗東坂路でM・デムーロを背に力強く先着。レコードV後の中3週で大一番に臨むが、その反動どころか、3連勝中の上昇馬らしい勢いのある動きを見せた。新馬戦ブービー敗退から世代の頂点へ。型破りの超新星が歴史を動かす。出走馬と枠順は25日に確定。馬券は26日に前々日発売が行われる。
一瞬で突き放す圧巻の走りだった。牡馬クラシック戦線に突如現れた新星
アドミラブル。栗東坂路で前半は手綱を押さえたまま
レコンダイト(7歳オープン、今週の
目黒記念に出走予定)と併走。ラスト2Fで仕掛けられると、自慢の瞬発力を発揮。一気に差を広げて2馬身の先着を果たした。4F52秒9-38秒8-12秒5のタイムに「良かった。いつもの感じ。前回と同じで
テンションも上がっていない」。またがったM・デムーロも満足げだ。
母は重賞3勝馬
リンカーンや07年
皐月賞馬
ヴィクトリーの異父妹。また近親には09年
皐月賞馬
アンライバルドに、3戦3勝でダービーを制した
フサイチコンコルドなどがいる豪華さ。その優秀な母系に、
父ディープインパクトからは切れ味を受け継いだダイヤの原石が、3連勝で夢舞台にたどり着いた。
デビュー戦は10頭立ての9着と大敗した。すると、陣営は即座に喘鳴症の手術を決断。5カ月ぶりの休養明けで未勝利戦を快勝すると、続く500万特別も残り1Fから独走状態。そしてダービーへ名乗りを上げたのが
青葉賞だ。
「すごい楽勝だった。物見をしたりだったけど、ダービーと同じ距離、同じコースも問題にならなかった」。4角手前からまくり、直線は突き放す楽勝劇。しかも、従来の記録を0秒5も更新する2分23秒6のレースレコードだ。東京2400メートルでは、なかなか見ることのない勝ちっぷり、ダービーでも歴代4位に当たる好タイムVで本番の主役級へと躍り出た。
14年に生産された7015頭の頂点を争う晴れ舞台。簡単に勝てるレースではないことは主戦も熟知している。
青葉賞からの参戦馬が、ダービーを勝っていないのも嫌なデータだ。「難しいレースになる。今回はフルゲートだし、相手も強い。違うレースになる。プレッシャーも違うし、ダービーは特別。でも、この馬はこの舞台を勝っている」。勢いは止まらない。ダービー2勝男が超新星とともにジンクスを打ち破り、競馬の祭典の歴史を塗り替える。
提供:デイリースポーツ