「
マーメイドS・G3」(11日、阪神)
復活、軽量馬、上がり馬の活躍など、例年、波乱のドラマが繰り広げられる牝馬戦。今年のテーマは「復活」なのかもしれない。昨年の
オークス3着馬・
ビッシュは、近3走2桁着順が続いているが、頭打ちというわけではない。初の阪神遠征で、巻き返しを図る。
成長が止まったわけでも、力が頭打ちだったわけでもない。
ビッシュはここ3走2桁着順が続いているが、どのレースもあまりにも展開に恵まれなかっただけだ。この
マーメイドSで一気の巻き返しを期す。
そもそも昨年9月の
紫苑Sでは、のちに
秋華賞、
ドバイターフとG1を2勝する
ヴィブロスを完封した。ただ、その後の3戦は苦手な瞬発力勝負になってしまった。成田助手が言う。「速い脚がなくて33秒台の上がりは使えない。そこへ“よーいドン”の競馬が続いてしまって。状態はずっといいし、力負けじゃないと思っています」。自信の調整が実を結ばずに、じくじたる思いが募っていた。
また、
秋華賞は輸送が敗因との指摘もあったが、成田助手は「到着しても落ち着いていたし、飼い葉も食べていて、状態としては地元戦と変わりませんでした。あれだけ負けたから輸送かと言われたけれど、展開」。今回が初の阪神遠征となるが、その点への不安を一蹴した。
この春は当初
ヴィクトリアマイルを目標に据えていたが、放牧先で調整が遅れたためにここへ切り替えての入厩。G1を自重したかいがあって、4歳春の成長期を目いっぱい生かすことができたようだ。「体はつくべきところに肉がついて大人びてきました。古馬らしくなりましたね」と成田助手は胸を張る。ここで復活して秋の飛躍への足掛かりとしたい。
提供:デイリースポーツ