牝馬によるハンデ重賞、
マーメイドS(GIII・芝2000m)に美浦から出走する注目馬3頭について、管理する各調教師のコメント。
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クインズミラーグロ(牝5・美浦・和田正道)について、和田調教師。
「前走の
福島牝馬S(GIII・3着)後は、短期放牧を挟んで変わらない状態で戻ってきました。今週(6/7)は最後に気合いをつける程度の追い切りでしたが、いつも通りの良い動きでした。阪神は昨年暮れ(カウントダウンS・1600万下・1着)に経験していますし、コンディションも変わらず良いです。ハンデは54キロでしたが、他の馬との比較で納得しました。雨が降ると斤量の軽い馬が有利になりますから、良馬場でやりたいですね。
一昨年の
紫苑S(OP・1着)以降は、出遅れたり前が詰まったりして、力を出し切っていないレースが続いています。好発、好位の競馬が良いので、そのようなレースができれば崩れないでしょう。秋に向けて、ここは賞金を加算したいですね」
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ビッシュ(牝4・美浦・
鹿戸雄一)について、鹿戸調教師。
「当初はヴィクトリアM(GI)を予定していましたが、態勢が整わなかったので無理はしませんでした。その分、馬は良くなっています。今週(6/7)の追い切りは、走りやすい馬場でしたし具合も良かったので、セーブしても良い時計が出ました。今の東京の馬場は硬そうなので、クッションのきいた阪神の馬場の方が良いでしょう。阪神は初めてになりますが、牧場とトレセンを行き来していますし、イレ込む馬でもないので、輸送は大丈夫だと思います。
放牧先のノーザン
ファーム天栄にいた時と変わらず、420キロくらいの馬体重をキープしています。ハンデ55キロは思ったより重かったですが、立て直して状態は良いですし、そろそろ良い結果がほしいですね」
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バンゴール(牝5・美浦・
尾関知人)について、尾関調教師。
「体の割に追い切りでパワフルな動きを見せる馬ですからね。今週(6/7)の追い切りは、馬場が良くない時間帯に入ったわりには時計も良かったです。ハンデ51キロは想定していた中で1番軽かったので、その点は良かったです。2000mの経験はさほどないですけど、体が減っていた一昨年の
フローラS(GII・6着)でもさほど差はなかったですし、札幌の2000mでも差のない競馬をしています。
前走(
パールS・1600万下・4着)はスタートが良かったですから、もう少しポジションを取っても良かったと思いましたが、逆にあのような競馬をしたことが、今回の2000mで生きてくるのではないかと思います。京都よりも阪神の方が合っているでしょうし、良馬場でやりたいですね。
荻野極騎手はこれまでウチの厩舎に何回か乗ってもらっていますが、追えるジョッキーですし、軽いハンデで乗れるという限られた条件の中では、良い騎手に乗ってもらえたと思います」
(取材・写真:佐々木祥恵)