今週から函館競馬が開幕。それに伴い、栗東からも函館競馬場へたくさんの馬が移動している。本来なら木曜日の追い切りでもそれなりの頭数がいるのだが、馬の移動によって、かなり追い切りが減り、調教時間の後半は本当に閑散とした感じ。
馬場に関しては、雨が降っていないので、おおむね良好。このまま雨が降り続けないようであれば、むしろウッドチップの乾燥が心配。ただ、馬にとってはカラッとした気候が過ごしやすい印象で、この時期特有の夏バテするような馬も少ない。
【坂路/4F51.9秒】
14日。一番時計は
CBC賞(7月2日・中京芝1200m)の出走を予定している
エイシンスパルタン(栗東・
藤岡健一厩舎)がマークした4F49.1秒。1F目から11.9秒のラップを踏んで、この11秒台を3F目まで持続。さすがに4F目は大幅な失速だったが、これだけの時計が出るということは、ある程度走りやすい馬場と判断してよいだろう。
そんな馬場だということを頭に入れても、動きが抜群に見えたのは
テーオービクトリー(栗東・
岡田稲男厩舎)。
ユニコーンSに出走予定の
ウォーターマーズとの併せ馬だったが、追う相手に対して、馬なりで同入。4F51.2秒は自己ベストを大幅に更新しており、ただいま絶好調といったところだろう。
15日。一番時計は4F50.8秒の
オースミチャド(栗東・松永昌博厩舎)。2F11.9秒から以降は減速していくラップだったが、これは馬場のせいではなく、一気にスピードを使いすぎただけ。やはり11秒台のラップを踏むことができる時計の出やすい馬場という判断でよい。
先週の馬場差が「±0.0秒」。今週も先週同様に走りやすい馬場。よって馬場差は14日、15日とも『-0.1秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
14日。さすがに水曜日は追い切りで混雑していたが、ちょうど追い切りが空く時間帯に
帝王賞(6月28日・大井ダート2000m)に向けた追い切りを行った
アウォーディー。
松永幹夫調教師からは「6月18日の日曜日を1週前追い切りと予定しているので、今日は軽め」と聞いていたが、6Fからの時計はなかなか速い。
だからといって、引っかかっているわけでもなく、自分のペースを守った結果が、6F85.4〜5F69.6〜4F54.8〜4F40.4〜1F12.4秒。ゆったりとしたス
トライドはいかにもダートの中長距離での高パフォーマンスを意識させてくれるものなので、
東京大賞典2着の舞台であらためて、どんなレースをするか楽しみなところ。
15日。
ラジオNIKKEI賞(7月2日・福島芝1800m)の出走を予定している
ポポカテペトル(栗東・
友道康夫厩舎)が2週前追い切り。2歳新馬
アドマイヤビクターとの併せ馬で先行していたこともあるが、その動きはこれまでよりも素軽く感じる。相手が並びかけて追い出すと、こちらは楽な手応え。最後は軽く仕掛けて差し返すところを見せており、この軽快さがあれば、
ラジオNIKKEI賞の条件にも対応できそう。
先週の馬場差は「-0.3秒」。今週も馬場状態としては、特に変わったところはなく、14日、15日とも先週と同じ『-0.3秒』の馬場差で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は14日、15日とも追い切りを確認していない。参考の馬場差としては『±0.0秒』でよいだろう。
今週のポリトラック馬場は先週よりも更に追い切り頭数が減っている。ポリトラックも乾燥しているので、時計自体は極端に速くない。馬場差は14日、15日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)