今週の栗東は6月28日の調教開始時点では雨。ただ先週のように強い雨ではなく、風もない。馬場に与えた影響としてはさほどでもない。
曇り空も多いので、日差しの暑さは感じないものの、この時季ならではの蒸し暑さは感じる。ここ数日は少し寝苦しい夜もあり、そろそろ夏に弱い馬たちはその兆候を出してくるかも知れないといったところ。
【坂路/4F51.9秒】
28日。一番時計は
アクティブミノル(栗東・
北出成人厩舎)の4F50.4秒。栗東坂路4F時計の自己ベストは49.3秒なので、それと比較すると極端に速い時計ではない。しかし、2F23.5秒でベストを更新。このような時計は2F目や3F目のラップが速くなり、4F目は失速するパターンがほとんどだが、この馬は4F目11.6秒。素晴らしい脚力を見せたといってよいだろう。
予定されている
CBC賞組でも抜けて速い時計。開門直後の走りやすい馬場状態であったことは否定しませんし、体重の軽い
酒井学騎手が跨ったこともあります。しかし、ブリンカーを着用し、中間の調教内容を工夫してきたからこその時計という見方もできるだけに、ここは馬券的にも非常に面白い存在となりそう。
馬場の印象としては、4F51秒台の頭数が多かったり、11秒台のラップを2F続けている馬も何頭かいる。全体的な時計の出方を見ると、雨でウッドチップが重たくなったという印象はない。
29日。一番時計は
クリノスターオー(栗東・
高橋義忠厩舎)の4F51.6秒。馬場状態としては前日と比較してもさほど大きな差はないと判断したい。
先週の馬場差は風の影響も考慮した「+1.0秒」。今週は雨の影響だけだが、時計には大きな影響がないと判断。よって馬場差は28日、29日とも『±0.0秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
今週は雨の影響はほとんどないと想定していたが、各馬の動きを見ていると、案外に時計を要している印象もある。ただ、
宝塚記念が終了して、今週から中京開催。そういった在厩メンバーのレベルが時計が出ていない印象にさせるのかもしれない。このあたりが馬場差を判断する上では一番判断が難しいところ。
実際の動きを見ていて、6F83秒台を1F12秒フラット前後でまとめていれば、かなり動けていると判断してよい。3歳未勝利の
フットステップや2歳新馬の
ワグネリアンといった
友道康夫厩舎の馬たちがこのあたりの数字をマークしているので、ひとつの基準になる時計だろう。
先週22日の馬場差は「-0.5秒」。今週は全体的な時計の出方を見ると、基準時計よりも遅い印象を受けるだけに、28日、29日とも『+0.4秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
先週に続いて、今週の芝馬場も追い切り頭数はそれなり。先週の雨も残っている感じで、芝の大きな塊が飛んでいる状況。よって馬場差は28日、29日とも『+1.0秒』で記録している。
先週はかなり追い切り頭数の多いポリトラック馬場だが、今週はいつも通りに落ち着いた。先週は雨でグリップしやすい馬場で時計が出ると、22日を「-1.5秒」の馬場差としたが、今週は28日、29日とも『-1.0秒』で馬場差を記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)