「アイビスサマーダッシュ・G3」(30日、新潟)
母が輝いた越後に、孝行娘が重賞初制覇で応える。目下2連勝と充実著しい
フィドゥーシアは26日、栗東CWで最終リハ。ゴール前で一杯に追われると、ラスト1Fは11秒7と切れた。本番へ向けて、前走で初の直線競馬も難なくクリア。
母ビリーヴが4連勝でG1タイトル(02年
スプリンターズS)をつかんでから15年。舞台は同じ新潟競馬場。今度は娘が3連勝で初のタイトルをつかむ。
5歳の春を迎えて2連勝。才能を開花させつつある
フィドゥーシアが、栗東CWで臨戦態勢を整えた。
最終リハは単走。軽快感を強調しながら加速すると、心地良くス
トライドを伸ばして直線へ。ブレのないフォームでゴール板をとらえると、4F51秒0、ラスト1Fは11秒7とはじけた。手綱を取った金折助手は「いい動きでしたね。やはりオープン馬。自分で体をつくってきましたね」と変化を実感する。
2カ月のリフレッシュを経て挑む今回。松元師も「先々週までは息の入りが悪かったけど、それも解消して、息遣いが良くなってきたね」と、目標の一戦に向けて状態が上がってきたことを伝えた。
母ビリーヴは4歳の夏に4連勝を飾り、
スプリンターズSでG1初制覇。翌年の
高松宮記念も制した名牝だ。母も管理した指揮官は「この血統は奥手ですからね。お母さんも4歳になるまで、良かったり悪かったりという面がありましたから。ようやく芯が入ってきたことは確かだし、精神的にも大人になってきた、ということでしょう」と記憶をダブらせながら、楽しそうに笑みを浮かべた。
前走の韋駄天S(1着)で、直線競馬に対する適性の高さは証明済みだ。送り出すトレーナーは「
ビリーヴと同じ競馬場(02年
スプリンターズS1着=新潟)で大きいところを勝てればいいですね」と期待を込めた。受け継がれた快速の系譜。真夏の越後に、今度は孝行娘が最大級の輝きを放つ。
提供:デイリースポーツ