「
アイビスSD・G3」(30日、新潟)
得意の舞台では譲れない。昨年の2着馬
ネロが27日、栗東坂路で破格のタイムをたたき出した。開門直後とはいえ、馬なりのままで4F50秒3。6カ月ぶりの一戦にも、この日の一番時計で好仕上がりをアピールした。過去5戦2勝、2着3回の新潟“千直”。頭差及ばなかった昨年の雪辱へ、しっかりと臨戦態勢を整えた。
開門一番、目の覚めるような数字が飛び出した。昨年の2着馬
ネロが、栗東坂路でこの日の一番時計となる4F50秒3をマーク。馬なりでこのタイムは、掛け値なしに速い。
「普通にサラッとやりました。馬場も良かったとはいえ、やはり時計は出ますね」と、騎乗した川又(レースは戸崎圭)は笑顔で称賛した。最初の1Fを14秒5でゆっくり入ると、軽く促した2F目で12秒2と急速にペースアップ。ラスト1Fも流した程度で12秒0と、ゴールまで勢いを維持した。さすが“坂路番長”の異名を取るだけあって、どの馬よりも動く。
ただ、今回に関しては
シルクロードS(11着)以来の半年ぶり。少なからず懸念材料も抱えている。「以前より、すごく乗りやすくなっているんですよ。それがどっちに出るかですね」と川又は不安を吐露する。高野助手も「前より折り合いがついて、馬が大人になっている。それがいい方に出ればいいのですが…」と歯切れは良くない。
一方で、レースに行けば真価を発揮できるとも信じている。同助手は「オンとオフがはっきりしているので、スイッチが入ってくれれば。直線競馬は得意ですし、相性がいいジョッキーも乗ってくれるので」と、コンビを組んで3戦3勝の鞍上に期待を託す。
新潟“千直”では5戦して〈2300〉と
パーフェクト連対。たとえ本調子ではないとしても、ゲートが開けば自慢のスピードが黙っていない。
提供:デイリースポーツ