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降級制度の廃止によるファン目線、馬主目線の変更点

  • 2017年07月29日(土) 06時00分
 JRAは28日、平地競走における競走条件制度(クラス分け)の改善についてという内容で、俗に言う「降級制度」の廃止を発表した。発表内容は下記の通り。

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 現在→4歳春季競馬までに獲得した収得賞金を(4歳の)夏季競馬開始時点で2分の1とする

 2019年変更後→4歳春季競馬までに獲得した収得賞金を(4歳の)夏季競馬開始時点で2分の1としない。
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 日本ダービー翌週、毎年夏季競馬番組(現在は6月から)入りと同時に条件賞金510万円以上3200万円以下の4歳馬は、条件賞金が半減され下級条件に降級する降級制度は夏の風物詩でもある。競走数の多い500万条件では特に降級馬をつぶさにチェックする競馬ファンも少なくない。

 今年、降級が実施された直後の6月3日、4日の開催で条件戦は全部で21レースあったが、ドレッドノータスベストマッチョテオドールロワアブソリューなどの降級馬が13のレースで優勝した。長いこと降級馬を中心に馬券を組み立てていたファンは2019年の夏以降、新たな馬券戦術を編み出さなければいけない。

 また、2013年の福島2歳Sを制したエルカミーノレアル福島2歳S勝利後2015年4月までの間、13戦して5着以内がわずか2回しかなく、その収得賞金は720万円。2015年夏に1000万下へ降級後、15戦中5着以内が7回、獲得した賞金は2080万円に上る。こういった馬主の立場から見ると降級制度自体は悪いものではなかったようにも思えるが、今後はこういうケースはなくなってしまう。

 賞金が半減されることで安田記念などが行われる6月の重賞に4歳馬が出走しづらい(除外対象になりやすい)状況の解消、夏季に1600万下やオープンなど上級条件の馬(頭数)を揃えてレースを行いたい、というJRAの考えは理解出来るが、その一方でエルカミーノレアルのように早い時期に賞金を稼いだものの頭打ちとなってしまった競走馬の引退や地方競馬への移籍は現在よりも早まるかもしれない。

※6月3日、4日に勝利した降級馬
 ドレッドノータスベストマッチョベバスカーンサンクロワダイアナヘイローテオドールコパノリスボンアデレードヒルロワアブソリューシュナウザーキアロスクーロワンダーリーデル、ケイマ。

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