「
アイビスSD・G3」(30日、新潟)
ウイナーズサークルでの優勝インタビュー。西田は10年の
ケイティラブ以来のレース2勝目に、「このレースは僕にとってはダービーですから」と声を弾ませた。次の瞬間、取り囲んだファンから大きな歓声が飛ぶ。勝者だけが独り占めできるまぶしい笑顔が、夏空の下で輝いていた。
西田&
ラインミーティアが、人馬ともに“千直”巧者ぶりを発揮した。準オープンからの格上挑戦。五分の勝負を挑んだら勝ち目はない。春からコンビを組んで3戦走り、「切れ味はオープンでも通じる」と確信。待機策に徹し、運が味方につくことだけを祈った。
1番人気
フィドゥーシアが抜け出し、勝負ありと思ったのもつかの間。鋭く背後に忍び寄り、ゴール寸前でキッチリかわした。直線レース12回目の挑戦は、7歳で初の重賞Vという最高の形で結実した。「前が止まらなければ仕方ない、切れ味を存分に出し切ろうと」。末脚勝負にかけた信念が、前がぽっかりあく幸運を呼び込んだ。
「西田は馬の特徴をつかんでいた。状態が良かったし、外枠も大きかったね」と水野師。次戦は未定だが、「千二が駄目じゃないし、7歳でも馬は若い」と、さらなる飛躍を期待した。
提供:デイリースポーツ