今週の土曜日12日に札幌競馬場で行われる
コスモス賞(2歳・オープン・芝1800m)。人気を集めそうなのは今年の新種牡馬
ロードカナロアの産駒一番星に輝いた
ステルヴィオ(牡2、美浦・
木村哲也厩舎)だ。6月4日の初勝利から約2ヶ月振りのレースとなるが、7月半ばから函館に入厩しウッドコースで順調に乗り込んでいる。8月2日の調教では一杯に追われた古馬500万条件の
ラッシュアワーを0秒4追走・0秒7先着と文句なしの中間の調整。
東京で迎えたデビュー戦は強い内容だった。セレクトセールにて1億3500万円で取り引きされた評判馬
サトノオンリーワンを寄せ付けず、芝1600mを1:34.8(良)と2歳新馬戦としてはかなり速い時計で快勝。今回引き続き手綱を取る
ルメール騎手も「距離はもう少し延びても大丈夫。とても乗りやすいです」と高評価を与えた。
2歳の早い時期のオープン特別(2011年までは9月上旬開催)ながら、この
コスモス賞は出世レースでもある。
2011年優勝の
ゴールドシップは
秋山真一郎騎手を背にデビュー2連勝でここを制し、そのまま2着以内を外さずに翌年の
皐月賞(G1)を制覇した。そして2015年まで走り続けG1・6勝の名馬となった。2012年2着の
マイネルホウオウは翌年の
NHKマイルC(G1)を人気薄ながら優勝。
もう少し遡れば2003年にここを制し同年の阪神JF(G1)を勝った
ヤマニンシュクル、2000年に優勝した
ネームヴァリューは2003年の
帝王賞(統一G1)、1999年にここを制し翌年の
桜花賞(G1)を勝った
チアズグレイスなどがいて、さらに
コスモス賞が函館開催だった頃まで遡ると阪神3歳S(G1)を制した
ラッキーゲラン、
ゴールドシチーに加え、
グランプリ2勝の名馬・
メジロパーマーが1989年にデビュー4戦目でこのレースを勝っている。
ステルヴィオにとっては直線の長い左回りの東京から直線の短い右回りの札幌と大きく条件は変わる。他に人気を集めそうなラ
イバルは
ワークフォース産駒の
ペプチドオーキッドや
マツリダゴッホ産駒の
ヴィオトポスか。また、登録12頭のうち5頭は地方所属馬。この出世レースを制しさらに大きな舞台へ羽ばたくことができるか。また、
ロードカナロア産駒初の2勝馬となれるか、
ステルヴィオの走りに注目が集まる。