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札幌記念・G2」(20日、札幌)
滞在を生かして初タイトル奪取といく。前走の
函館記念は強い内容で4着に好走した
アングライフェン。陣営は輸送減りの心配がない滞在競馬なら、重賞Vも可能とにらんでいる。今年はG1馬不在で混戦ムードとなっている北都の決戦。一発のチャンスは十分だ。
調教を終えた
アングライフェンが、むさぼるようにカイバおけへ頭を突っ込む。傍らで藤巻助手が目を細めながら口を開いた。「やっぱりこの馬に滞在は合っていますよね」。北海道で3戦目。ふっくらとした馬体が今夏の好走を支えている。
今年の1〜5月は異なる競馬場で5戦して0・0・0・5。現状を打破すべく、夏は初めて北の大地へ矛先を向けた。
巴賞で勝者
サトノアレスとタイム差なしの2着に好走すると、続く
函館記念では見せ場たっぷりの4着だ。「ああいう道悪の馬場は得意だと思ったんですが。もっと走る馬がいましたね」。Vに届かなかったとはいえ、重賞での最高着順をマーク。確かな手応えを得た。
何より滞在競馬では雰囲気が違う。「輸送すると体が大きく減るから。環境にすぐなじめないんですよ。それでイレ込んでしまったり。カイ食いも悪くなってしまう」。その不安がないからこそ、意欲的な調教も可能になる。「洋芝も合っている」と引き続き好材料がそろう設定だ。
中間は短期放牧を挟み、しっかりと充電。火曜朝も角馬場〜ダートで活発な動きを披露した。仕上がりは申し分なし。「前走を見ても、能力は足りていたと思う」と藤巻助手はうなずいた。今年はG1馬不在でやや手薄なメンバー構成。初タイトルへ向けて、最大の好機が訪れている。
提供:デイリースポーツ