全休明け29日(火曜)の午前6時2分。札幌競馬場のスタンド脇で待機する記者陣の携帯電話から、J
アラートの警報音が一斉に鳴り響いた。
「ミサイル発射。ミサイル発射。北朝鮮からミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難してください」
携帯電話を見ると、総務省消防庁から緊張感あるEメール。戸惑いつつ事の推移を見守ると、緊急措置で調教を中断する
JRA職員が…。そこで当方も馬場入りの準備をする関係者に「北のミサイル飛来で調教できないみたいですよ」と伝えて回ると「お、来た! それって東スポ得意のオカルト情報やろ?」と妙に喜んだ安達キュウ舎の齋藤幸雄助手。「違います! ガチです」と再度伝えると「つまらん」と一転しょんぼりの齋藤さん。一体この人、何なんだ…。
さて“ガチ”といえば、先週の当欄で取り上げた
ソルヴェイグの松浦助手。2着に終わった
キーンランドCを振り返り「レース後はさすがに力が抜けた。勝たなアカン一戦やったし、2着では賞金不足。レーティングで
スプリンターズSに出られるかどうか」と馬房の前で肩を落としていた。
「計算外だったのは予想以上に荒れた芝と相手関係。川田も内を避けてうまく乗ってくれたけど、他の先行馬が粘らなさ過ぎた。併せる形なら直線も踏ん張れたのに…」と渋い顔がほぐれない。
メンバーが意外に揃わない――実は、その点は今週末のGIII
札幌2歳Sも同様である。
「未勝利勝ちの身で出られるか不安でしたが、フタを開ければ落ち着いた頭数。札幌で新馬勝ちした馬が一頭も使わないのは意外でしたね」
カレンシリエージョの久保田省吾助手が語る通り、今年はある意味で“異常事態”。
モーリスの全弟
ルーカス、
レイデオロの全弟
レイエンダなど、スケール感に富む好素材が続々と勝ち上がりながら、頂点を極める一戦にその姿はない。
ジャングルポケット、
タガノテイオー、
テイエムオーシャンが激突した00年を頂点に、GIIIとしての存在意義が薄れつつあるのが実情である。
「初陣(2着)で0秒2差の
クリノクーニングにこれだけ重い印が集まるなら、自分の馬もチャンスがあるかな。ただ、混戦は間違いないですね」と同助手。荒れた馬場も加味すれば、大波乱も十分にあり得るメンバー構成。当欄流の“J
アラート”を鳴らしつつ、週末の激戦に備えたい。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)
東京スポーツ