「
紫苑S・G3」(9日、中山)
重賞昇格初年度の昨年はここを
ステップにした
ヴィブロス、
パールコードが本番でワンツーを決めた
秋華賞トライアル。今年は1番人気の
ディアドラが3頭横並びの大接戦を鼻差制して、秋の3歳女王へ名乗りを上げた。連勝での重賞初制覇で自信を深めた
オークス4着馬が、堂々とラスト1冠へ乗り込む。2着
カリビアンゴールド、3着
ポールヴァンドルまでが、
秋華賞(10月15日・京都)への優先切符を手にした。
息詰まるゴール前。最後の最後に、外から
ディアドラがグイッとひと伸び。3頭が横一線の大接戦を制した。
汗を拭いながら、岩田は「着差以上に強い勝ち方だった。次につながるレースができたね」と満足そうにうなずく。道中は中団馬群の外めを追走し、直線も大外へ進路を取った。“安全運転”に徹した分、苦戦を強いられた格好だが、最後に地力の違いで2着馬を鼻差かわした。
今春は
桜花賞6着、
オークス4着と健闘してきただけに、今回の相手となら実績でも一枚上だった。「あれだけ外を回って勝てたんだからね。ひと夏越して馬体もひと回り大きくなっていたし、一戦ごとに力をつけているよ」と主戦が目を細めれば、橋田師も「牝馬としては堂々としたところがいいね。(春よりも)成長して強くなっている」と胸を張った。
次はもちろん、
秋華賞へ。「今までコーナー2つのレースばかりを使っていただけに、前走、今回とコーナー4つのレースを経験させたかった」と指揮官は、本番を見据えての
ステップ選択理由を説明した。その期待に見事、満額の連勝で応えた愛馬。涙をのんだ春の雪辱へ、盤石の自信を携え、淀の大舞台に立つ。
提供:デイリースポーツ