現在のJRAリーディングサイアーは
ディープインパクト。12〜16年まで5年連続トップを守り、王者
サンデーサイレンス亡きあとの日本の種牡馬No.1の座に君臨している。だが、ここにきて徐々に存在感を増している種牡馬がいる。そのディープを父に持つ
ディープブリランテだ。
12年ダービー馬で、現3歳世代が
ファーストクロップ。初年度産駒から
リカビトス(牝3歳、美浦・
奥村武厩舎)が末脚を武器にデビューから無傷3連勝を決めると、7月には
セダブリランテス(牡3歳、美浦・
手塚貴久厩舎)も同じく3戦3勝で
ラジオNIKKEI賞をV。産駒の重賞初制覇を飾っており、今が旬の血統と言えるほどの勢いがある。
リカビトスの
奥村武調教師は
ディープブリランテ産駒の特徴を話す。「
リカビトスについてですが、馬体はそこまで目立つといった印象はなかったですね。ただ、いざ追い切りを始めるといい動きをするし、乗り手も『フットワークの
バランスが良く、背中が強いです』と絶賛する。この“走りの良さが見た目には表れない”という点が、(祖父の)
ディープインパクトに似ていると言っていいのではないでしょうか」。
現在、2歳世代を含めた産駒の成績は芝36勝、ダート7勝で、芝での単勝回収率は107%とまずまずの数値をマークしている(9月10日終了時点)。まだ今は地味な馬体や戦績のイメージだけで判断され、実際の実力を過小評価されている感は否めない。しかし、そこは王者
ディープインパクトの2世種牡馬で、世代の頂点も極めた素質馬だ。見た目以上に能力のある馬が多いことを覚えておいて損はないだろう。
今週の
セントライト記念には、前述の
セダブリランテスが出走を予定。夏の上がり馬として、春の既成勢力に戦いを挑む。まだローテが発表されていない
リカビトスの動向も気になるが、それも含めて今秋のG1戦線では、
ディープブリランテ産駒が台風の目になるかもしれない。(デイリースポーツ・刀根善郎)
提供:デイリースポーツ