今週の栗東は12日から雨が降り、13日には水分をたっぷりと含んだ馬場状態。それだけに坂路馬場、Cコースともに時計を要する馬場状態が推測されたが、水はけもよかったのか、思ったほどは時計を要する状態ではなかった。
気候に関しては、調教開始時間が6時になったこともあり、馬場閉場直前は日差しが強くて暑く感じるが、朝一番は上着がなければ肌寒い。13日以降は空気もさらっとしており、過ごしやすい時間が続いている。
【坂路/4F51.9秒】
13日。一番時計は先週に引き続き、
音無秀孝厩舎から
ダンビュライト。
神戸新聞杯(9月24日・阪神芝2400m)に向けた1週前追い切りだったが、
武豊騎手が跨って感触を確かめる内容。
音無秀孝調教師は「春に比べて、ぐんと馬が良くなった。これまでとは違うはず」とかなりの手応えを感じており、それが数字になって表れた印象もある。
4F50秒台はこの馬しかいなかったが、4F51秒台は10頭以上おり、冒頭にも記したように、雨が降った馬場にしては走りやすかった印象。ただ、4F目に11秒台をマークした馬は1頭しかいないので、基準時計を目安にすると時計の出る馬場というわけでもない。
14日。一番時計はアルテ(栗東・
北出成人厩舎)の4F51.0秒。これは体重の軽い見習い騎手が跨っていたことも大きく影響している感じ。馬場状態としては前日と大きく変わらない印象だった。
14日に
マイルチャンピオンシップ南部杯(10月9日・盛岡ダート1600m)に向けた追い切りを行った
カフジテイク(栗東・湯窪幸雄厩舎)。先週から坂路で時計を出し始めているが、今回はそれよりも負荷をかけた内容。テンはゆったり入ったが、1Fごとにラップを速めていき、時計は4F55.6〜3F40.3〜2F25.9〜1F12.9秒。前走
プロキオンSを使ったことで、この秋のスタートが順調な印象も受けるだけに、これからの調整にも注目していきたい。
先週の馬場差は「+0.2秒」。今週も12日に雨が降っているが、馬場に与えた影響は小さい。よって、13日、14日ともに『±0.0秒』で馬場差を記録している。
【CW/5F66.5秒】
先週、今週と時計の出具合について、様々な関係者から質問されるCコース。ウッドチップの取り替え工事はほぼ終了しているようなので、チップ自体は徐々に馴染んでいる印象。ただ、今週は雨が降ったこともあり、どんな状態になっているかは、実際に時計をとるまで予測できなかった。
時計をとった印象を時系列でまとめていくと、13日の開門直後は時計を要する状態。先週までは5時開門で周囲が暗く、時計が出にくい理由が他にもあったが、今週から6時開門となり視界による時計の変化は考えられない。そうすると、単純に水分を含んだ状態が時計に影響したと思われるが、だからといって基準時計よりも極端に遅いわけでもない。
13日も1回目のハロー終了後、2回目のハロー終了後と日差しで表面が乾いていくたびに基準時計と同等かそれよりも少し速いくらいの状態。14日は13日午後の好天もあって、馬場は完全に乾いている。その分、前日に比べて時計も出やすかった。
先週の馬場差は「+0.2秒」。13日に関しては時間帯によって、馬場差に違いはあるものの、前半の時間帯を主として考えれば、先週と同じ『+0.2秒』で馬場差を記録。14日は完全に走りやすい状態に戻っているので、『-0.2秒』で馬場差を記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週は12日に雨が降ったこともあり、13日の芝馬場は盛況。その追い切り頭数は20頭を超えているが、実際に走っている様子を見ても、芝の塊が飛ぶことはなく、馬場状態としては良好。走りやすいということで間違いないだろう。
14日には
友道康夫厩舎の3頭が併せ馬。最も目立つ動きを見せたのは
アドマイヤキング(栗東・
友道康夫厩舎)。大型馬で体の使い方がもっと良くなってきそうな印象もあるが、それでも3頭併せの外で手応えは一番楽。ラストは11.3秒で伸びており、これからもっと良くなっていきそう。馬場差は13日、14日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場は先週からめっきり頭数が少なくなった。個人的には現状でポリトラック馬場が果たす役割はあまりなく、以前のようにウッドチップ馬場に戻った方が需要はあると思うがどうだろうか。馬場差は13日、14日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)