9月に1日だけ騎乗した
シンガポールでは4戦2勝と現地のファンに強烈な印象を残した。たった1日で無名の状態から大きな歓声で迎えられる立場となった。
「
シンガポールへはあるオーナーさんから突然“来ないか”と声を掛けられて、全く知らない状態で臨みましたが1日で2勝できて良かったです。最初はみんな“誰だお前”みたいな感じだったのですが、1つ勝ち、もう1つ勝ち、そうしたらファンの方たちも盛り上がってくれて。
シンガポールのファンは本当に熱いです。実は来年からは拠点を
シンガポールにしようと考えています。2年前に挑戦した時はダメだったんですけど、やはりあの1日のおかげか、今度は“ようこそ”という風に迎えられて、あの2勝が良いプロモーションになったのかなと思います(笑)。難しいと言われている
シンガポールの免許を取れそうで良かったです」
11日から大井での騎乗をスタート。来日の経緯や大井で騎乗しての感想、さっそくの初勝利についても聞いてみた。
「2年ほど前に“日本に興味がないか?”というお話があったんです。それで“行きたい”ということをお伝えしたら、いま日本でマネジメントしてくれている方に話が通り、今回の来日が実現したんです。実際に乗ってみると、大井のダートはアメリカのモンマスパーク競馬場とよく似ていました。キック
バックの量などがとても近くて、基本的には左右の違いだけだと感じました。ただ、日本はレースがフェアなのでお互いに納得感があります。日本以外ではそうでないこともあって、ずっと引きずることもあるので(笑)。初勝利は、この日は前半からインコースが良いと思っていたので、そこを狙いました。最後は止まりかけたのですが、諦めずに追って、そうしたら馬が頑張ってくれました。1ヶ月の間にマカオ・
シンガポール・日本と3ヶ国で勝つことができたということが嬉しかったです。フランスのとても小さな場所から出てきて、騎手学校に通って、いまではこうしているというストーリーに、自分でも信じられない思いです」
実はこれまでにも二度日本を訪れていたという
クアトロ騎手。色々な面で日本は良い環境だと言う。日本人ジョッキーでは、昔から
武豊騎手を
リスペクトしていたとの話も。さらにはお決まりの“ジャパニーズ・フード”についても答えてくれた。
「好きなのは寿司で、特にサーモンです! 大好きでたくさん食べています(笑)。実はこれまでに二回、去年の4月と今年の2月に旅行で日本には来たことがあったんです。京都競馬場にも行きました。向こうが私のことを知っているかはわからないですけれど、
ミルコ・デムーロ騎手に手を振ったりもしました(笑)。そこで日本の競馬を見たことで日本で乗ってみたいという思いがさらに強くなりました。それと、昔から
武豊騎手を
リスペクトしているということもあります。日本はきれいで静かで、とても
リラックスできます。馬の生産も騎手もレベルが高いですし、騎手同士の
リスペクトがあってレースはクリーンです。色々な面で良い環境だと思います。何より、日本はとにかくすべての人が優しいです」
日本語にも熱心だという
クアトロ騎手。時にはインタビュアーと通訳の方の日本語のやり取りを自ら補足する場面もあった。最後に日本の競馬ファンへのメッセージをお願いすると、自分で調べて考えてきたという日本語も交えて、こう答えてくれた。
「レースを見てくださっているたくさんのファンの皆様に感謝します。自分の
スタイルをこの国に合わせて、“郷に入りては郷に従え”で結果を出していきたいです。“乗ってもらいたい”と思われるように頑張ります。ヨイキジョウヲシテ、タクサンカチタイデス。ミナサン、オウエン
ヨロシクオネガイシマス!!」