「ローズS・G2」(17日、阪神)
ニューヒロインの誕生だ。中団やや後方を進んだ8番人気
ラビットランが、直線外から豪快に差し切ってV。重賞初挑戦で初制覇を決めた。これで芝は2戦2勝。
秋華賞(10月15日・京都)の主役候補に名乗りを上げた。逃げ粘った6番人気で2着の
カワキタエンカ、鼻差で3着を死守した3番人気
リスグラシューまでの上位3頭が、本番の優先出走権を獲得した。
勝負どころの直線半ば。台風18号の影響で時折突風が吹き荒れるなか、別次元の末脚で突っ込んできたのは8番人気の伏兵
ラビットラン。逃げ粘る
カワキタエンカを差し切って重賞初挑戦・初勝利を決めるとともに、ラスト1冠への優先チケットをもぎ取った。
道中は折り合いを重視して後方待機。直線までじっと我慢したことが最大の勝因だろう。発表は良馬場とはいえ、前日からの雨で重い芝。それでも、末脚の切れ味が削がれることはなかった。「上手に差してくれたね。距離が心配だったが、最後も止まる気配はなかった。世代屈指の素材だと思っている」と、殊勲の和田が手放しで絶賛した。
鞍上にとっても負けられない一戦だった。お手馬だった
オークス2着馬
モズカッチャンは、今秋からM・デムーロと新コンビを組むことが決定。無情の乗り代わりを宣告された翌週の中京で、自らの手綱で勝利に導いたのが
ラビットランだった。「自分にも意地があるから」。淀につながる仁川のVロード。闘志を内に秘め、期する思いをステッキに込めた。
会心の走りに、角居師は「距離がどうか、馬場がどうか、いろいろ心配していたが、直線は想像以上の切れ味だった」と目を丸くする。「(
秋華賞は)内回りで直線が短くなるのがちょっと気になるが…。折り合い次第」と注文はつけたが、本番に向けて期待が膨らんだのは間違いない。混迷が増す3歳牝馬戦線に、また楽しみな一頭が登場した。
提供:デイリースポーツ