「
オールカマー・G2」(24日、中山)
残る時間はわずか。手が届きそうで届かないGI獲りへ、
ルージュバックが秋初戦を最高の形で発進した。
マイネルミラノの逃げは、前半の1000メートル通過が63秒1のスロー。直線に入っても懸命に踏ん張る逃げ馬にラ
イバルが一斉に襲い掛かるなか、北村宏が選択したのは最内だった。ペースが上がった4角で外側に斜行し、他馬に不利を与えてしまったが、最後は内ラチ沿いから持ち前の末脚全開。並み居る強豪牡馬を切り捨てた。
テン乗りでのVに、「思ったより穏やかな馬だった。男馬相手でも頑張って、力があるところを見せてくれました」と、鞍上は15年
菊花賞(
キタサンブラック)以来の重賞制覇に笑みを浮かべた。昨秋の
毎日王冠以来の重賞4勝目。厩舎の看板馬の復活劇に、大竹師は「乗り役の好判断でしょう。今回は北海道からの輸送でゆっくり立ち上げられて良かった」とうなずいた。
クラブの規定で来春の繁殖入りが迫る。もちろん、今秋の最大目標は
エリザベス女王杯(11月12日・京都)。トレーナーは「残り少ないので。GIタイトルを獲らせたい」と意気込む。“天才少女”と言われた素質馬も、既に5歳の秋。悲願へ向けて、最後の大勝負に出る。
提供:デイリースポーツ