タレントが豊富な今年のヨーロッパ2歳世代に、また1頭、今後が楽しみな新星が誕生した。9月28日にニューマーケットで行われたG3タタソールズ・ソマーヴィルS(芝7F)を2.1/4馬身差で快勝したエラーカム(牡2、父
フランケル)がその馬だ。
「史上最強馬」
フランケルの2世代目の産駒の1頭となるエラーカムは、母もまた、英国と愛国の千ギニー、コロネーションS、
サンチャリオットS、メイトロンSと、現役時代に5つのG1を制した名牝
アトラクションという、超良血馬である。タタソールズ10月1歳市場にて160万ギニー、当時のレートで約2億1500万円でドバイのハムダン殿下に購買され、マーク・ジョンストン厩舎に入厩。9月10日にヨークで行われたメイドン(芝7F)を3.3/4馬身差で制してデビュー勝ちを飾って臨んだのが、28日のタタソールズ・ソマーヴィルSだった。
無敗の2連勝で重賞初制覇を飾った同馬を、大手ブックメーカー・
コーラルは来季のG1二千ギニー(芝8F)へ向けた前売りで、オッズ15倍の4番人気に浮上させている。
エラーカム以外にも、G2ヴィンテージS(芝7F)を含めて2戦2勝の
エキスパートアイ(牡2、父アクラメーション)、G2ベレスフォードS(芝8F)を含めて2戦2勝の
サクソンウォリアー(牡2、
父ディープインパクト)、デビュー2戦目のメイドンとG2スー
パーレイティヴS(芝7F)を連勝している
グスタフクリムト(牡2、父
ガリレオ)、同じくデビュー2戦目のメイドンとG3タイロスS(芝7F)を連勝しているザペンタゴン(牡2、父
ガリレオ)らが名を連ねる今年の欧州2歳世代は、近年にないヴィンテージクロップと言われている。
(文:合田直弘)