「
凱旋門賞・仏G1」(1日、
シャンティイ)
課題が改めて浮き彫りとなった。日本から参戦した
サトノダイヤモンドは15着に惨敗。10段階で5番目に水分を含んだ重い馬場(ペネトロ
メーター=馬場硬度計測器で3・6)に苦しみ、本来の実力を出し切れずに終わった。同馬の今後が一切白紙となった一方で、池江師自身は今後も挑戦を続けていくことを表明。ロンシャン競馬場に戻って行われる来年以降も、日本競馬の悲願達成には“馬場の攻略”が大きなテーマとなる。
敗因は明白だった。4着に敗れた前哨戦のフォワ賞と同程度の道悪に阻まれ、大一番でも
サトノダイヤモンドは輝きを取り戻せなかった。
13番と外めのゲートからスタート。ルメールは好位の5〜6番手を狙っていたが終始、馬群の中団やや後方の外を回る形に。直線に向いて懸命に鞍上が手綱を押すものの、反応はひと息だった。残り400メートルからは、内にいた僚馬
サトノノブレスと併走する形に。最後まで本来の切れ味は封印されたまま15着に終わった。
「馬場が合わなかった。テンから走りにくそうにしていた」。池江師は第一に、前夜までの雨でぬかるんだ芝の状態を敗因に挙げる。もともと力を要する欧州の馬場は雨の影響を受けると、「(
サトノダイヤモンドは)スイスイ走る」とトレーナーが表現する日本での道悪とは全く別物となる。フォームからも問題ないという見立てもあり、欧州には合うという読みが遠征を後押しした。だが、実際には『欧州の重馬場』には対応できなかった。
「読みが外れた」と話す池江師は悔しそうに言葉をつなぐ。「ベストの状態に近づけることはできたが、ベストに持っていけなかったことには悔いが残る。悔しくて情けない気持ちでいっぱいです」と無念さを隠し切れない。一方で「東京の2400メートルならウチの馬が勝つと思うが、競馬はそういうものではない」。“ホームなら負けない”と
プライドをチラリとのぞかせた。
世界最高峰の壁にまたしてもはね返されたが、チャレンジをやめる気はない。「道悪の年もあれば良馬場のときもある。モンスター級のラ
イバルが出走している年もあれば、そうでない年もある。だから常に挑戦し続けないといけない。懲りずに
トライし続けたい」と宣言した。
サトノダイヤモンドの今後については、年内に国内で走る可能性も含めて「一切白紙」に。敗戦から一夜が明けた2日朝、状態をチェックした指揮官は「カイバを完食して、歩様もスムーズ。馬体に異常もなく、安心しました」と胸をなで下ろした。15着という重い現実を受け止めつつ、改めて決意を表明。「失望されることもあるかもしれないですが、皆さまと一緒に夢を追い続けたい」と前を向いた。サトノ2頭は4日にフランスを出発する。
提供:デイリースポーツ