近年、超一流馬は秋の天皇賞を休み明けで使ったり、あるいは
凱旋門賞へ向かったりして、
毎日王冠を
スキップする傾向が見られる。超一流馬不在で行われることで、
毎日王冠の性格も往年とは様変わりしてきた。
今年は特別登録の段階でGI勝ち馬の出走予定は5頭を数える。かつての
毎日王冠らしい豪華メンバーにも思えるが、最盛期の勢いを失っているように見える馬も少なくない。スターホース同士の決着になるのか、格下の
チャレンジャーが食い込める余地があるのか。そこの判断が馬券の鍵になりそうだ。
1.天皇賞とは別物のスピードレース
毎日王冠の勝ち馬が秋の天皇賞も連勝した例は、2009年の
カンパニーが最後になる。次走で天皇賞を勝つ
ジャスタウェイや
スピルバーグも、このレースはそれぞれ2、3着に敗れているように、天皇賞を勝てるような本格的な底力は、むしろこのレースでは重しになってしまう印象すらある。
2.斤量が軽い馬が有利
近年は3歳馬の健闘が目立つが、これは古馬より軽い斤量で出走できることが原因と考えられる。同様に、軽い斤量で出走できる牝馬も好成績を残していて、過去10年で出走はわずかのべ3頭ながら、そのすべてが連対を果たしている。
3.高齢馬は割引
同じく過去10年で、4歳馬が連対率25.9%、5歳馬が12.5%であるのに対して、6歳馬は9.1%、7歳以上は3.4%と、歳を重ねるのと反比例して成績が下降している。スピードと瞬発力が求められるレースである以上、ベテランの狙いには慎重にならざるを得ないということだろう。
ソウルスターリングはここまで6戦5勝。道悪の
桜花賞を惜敗しただけで、それ以外はすべて完勝といえる内容でここまで来ている。同世代の牝馬では、この馬には相手が軽すぎた印象すらある。今回は古馬との初対戦になるが、前で折り合えるスピード能力は例年のレース質に
フィットしているし、53kgで出走できることでよりキレ味にも磨きがかかるだろうから、心配より楽しみのほうが大きい。