今週の栗東は2日が一日中、雨が降り続くような天気。雨量としてもかなり多く、3日も雨が残るような天気だった。ただ4日、5日は雨も降らず、追い切りに支障はなかった。とはいえ、ウッドチップはたっぷりと水分を含んでおり、重たい馬場だったことは間違いないだろう。
気温に関して、調教開始前は薄手の上着では肌寒さを感じるようになってきた。秋らしい気候はほぼないに等しい感じで、これからどんどんと気温が下がり、冬が近づいてくるといったところではないだろうか。
【坂路/4F51.9秒】
4日。一番時計は4F51.0秒の
ヨシオ(栗東・
森秀行厩舎)。この馬の自己ベストが4F49.9秒であることを考えれば、やはり時計を要する馬場という見方で間違いない。ちなみに4F51秒台の頭数は10頭以上いるので、適度に時計のかかる馬場だったということでよいだろう。
4F目のラップに関しては、12.0秒が最速。ただ、12.0秒と12.1秒の頭数が多く、
タイセイスターリー(栗東・
矢作芳人厩舎)は4F51.6秒で1F12.1秒。
パワーとスピードを兼ね備えている馬であれば、このくらいの馬場であれば、しっかりと動いて時計を出すことができるのかも知れない。
5日。
別ニュースで取り上げた
ミッキーロケット(栗東・
音無秀孝厩舎)が4F50.9秒。馬場差としては、前日と大差ないはずだが、全体的な時計の出方としては4日よりも遅めになっている。とはいえ、
南部杯(10月9日・盛岡ダート1600m)の出走を予定している
ゴールドドリーム(栗東・
平田修厩舎)が2F24.5秒、1F12.0秒という時計を出しているように、力のある馬は基準よりも速い時計を出すことができている。
先週28日の馬場差は「+0.5秒」。これは雨の影響があったもの。そういった意味では今週も雨の影響を受けているので、先週と同じ『+0.5秒』の馬場差で4日、5日とも記録することにした。
【CW/5F66.5秒】
4日。全体的な馬場の印象は重め。決して速い時計が出ないわけでなく、
昨日ニュースに取り上げた
レーヌミノル(栗東・
本田優厩舎)のように、もともとCコースで動いていた馬であれば、苦にするほどではない。ただ新馬など、経験の浅い馬やCコースでの追い切り経験が少ない馬は最後の1Fで止まり気味になるところが目についた。
ここで取り上げるべきは、2歳新馬の
カツジ(栗東・池添兼雄厩舎)。先週のCコースでも動いていた
ディープインパクト産駒で、今週もその動きに注目していた。併せた相手が攻め駆けする
アガスティアだったが、これを追走して、最後は楽々と先着。6F80.7秒は申し分ない速さ。スピード豊富な走りから距離適性はマイル以下という印象もあるが、新馬向きのセンスがあることは間違いない。
5日。月曜日のレースとなる
京都大賞典の最終追い切りが行われ、朝一番には
トーセンバジル(栗東・
藤原英昭厩舎)が併せ馬。
鮫島良太騎手が跨り、
フォンスが追いかけてくるという展開。最終追い切りの併せ馬で先行するというのは、筆者の記憶では初めてになるが、むしろ追いかけるよりも落ち着いて走れる印象。実戦でも後方からのレースが多い馬ではあるが、逆に先行することができれば、新たな一面を見ることができるような気もする。
先週の馬場差は「±0.0秒」。今週は全体的に統一した馬場差をどこに定めるかが難しい。基準時計は500万下を目安にしているので、馬場差もそこを目安にすれば、雨の影響ほど馬場が重くなっていないと判断してよいだろう。よって、馬場差は先週と同じ『±0.0秒』で4日、5日とも記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は前日までの雨の影響もあり、追い切りがそれなり。かといって、速い時計を出すというよりは、馬なりでさらっと流す感じ。馬場も傷んでいる印象はなく、馬場差は4日、5日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場の追い切り頭数は極端に少なかった先週に比べると、少し多くなった。雨が降るとグリップが利いて、走りやすくなる馬場だが、時計の出方としてはいつもと変わりない。馬場差は4日、5日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)