「
京都大賞典・G2」(9日、京都)
芦毛のディープ娘が自慢の切れ味を見せつけた。名手の手綱に導かれ、4番人気の
スマートレイアーがV。大目標である
エリザベス女王杯(11月12日・京都)に向けて好発進を決めた。殊勲の
武豊は史上初のJRA同一重賞9勝目、JRA・G2通算100勝を達成。2着に6番人気の
トーセンバジルが入り、1番人気の
シュヴァルグランは3着に終わった。
並み居る牡馬を、一気になで切りにした。4番人気の
スマートレイアーが後方から鋭く伸びて重賞4勝目をマーク。「タメにタメたので、ラストはすごい脚。進路さえあけばと思っていた。うれしいですね」と
武豊は白い歯をこぼす。鞍上は昨年の
キタサンブラックに続く連覇。前人未到のJRA同一重賞V9に加え、JRA・G2通算100勝と、記録ずくめの美酒となった。
発馬後に挟まれるシーンもあったが、「(位置は)出てから決めようと思っていた」と名手は冷静だった。道中は後方で折り合いに専念。直線で内からスパートをかけ、先に抜けた
トーセンバジルと外から猛追する
シュヴァルグランの間を、目の覚めるような末脚で突き抜けた。
見届けた大久保師も「きょうは
エリザベス女王杯に向けてのレース。最高の結果を出してくれた」と手放しで称賛。「改めて折り合いの心配はないと思ったし、最大の持ち味である“切れ味”を出せるね」と本番へ自信を深めた様子だ。
7歳の秋。陣営はラストイヤーという思いを胸に、今年は本番と同じ淀の舞台からの始動を選択した。「G1を獲ってから(繁殖に)上げたい」と指揮官が力を込めれば、ユタカも「エリザベスで結果を出したい」と意気込む。健在ぶりを見せつけたレイアーが、最高の勲章に向かってこれ以上ないスタートを切った。
提供:デイリースポーツ