コパノリッキーにとっては、まったく理想通りの競馬となって、他馬を圧倒する4馬身差。
南部杯連覇に加え、盛岡コースは3戦3勝、そして
ホッコータルマエの記録に並ぶGI/JpnI・10勝目の達成となった。
コパノリッキーは互角のスタートから無理なく外目の3番手。逃げた
ノボバカラの1000m通過は59秒7というゆったりしたペース。かといってスローというほどでもない。平均ペースで流れて好位の外目は、
コパノリッキーにとっては絶好の勝ちパターン。4コーナーでは抜群の手応えで前をとらえにかかると、直線で後続を突き放すという、まさに横綱相撲というべきレースぶりだった。
思えば昨年も、前2頭からやや離れた3番手を追走し、直線抜け出すという、ほとんど同じようなレース展開だった。レコード決着となった昨年は、1000m通過が58秒0というハイペースで、レースの上り3Fが35秒5で、
コパノリッキーの上りは35秒2。今回は前述のとおりの1000m通過で、レースの上り3Fが35秒2、そして
コパノリッキーの上りは、なんと34秒6。昨年よりもペースが緩くなったぶん、当然のように上りは速くなったが、それにしても34秒6で上がられては、うしろから来る馬はかなわない。7番人気という、中央馬のなかではもっとも人気がなかった
ノボバカラが2着に逃げ粘っていることでも、先行有利の緩い流れだったことがわかる。
ノボバカラにクビ差と迫る3着に入った
キングズガードは、鞍上の中野省吾騎手の好騎乗。スタート後の向正面では中団7番手あたりだったが、緩い流れを読んだのだろう、徐々に位置取りを上げていって4コーナーでは
コパノリッキーの直後。直線の上り勝負で粘り込んだ。
コパノリッキー以外の人気馬の敗因ははっきりしている。
4着の
カフジテイクは、意識して早めの競馬をしていたようだが、盛岡コースでは直線一気の末脚が生かせなかった。東京競馬場と同じように、左回りでコーナー2つ、直線に坂のあるコースではあるが、盛岡では前がよほどのオーバーペースにでもならない限り、直線一気は決まりづらい。一度も走っていないので想像になるが、
サウンドトゥルーのようなタイプもおそらく盛岡コースには向いていない。
5着の
ゴールドドリームは、スタートで大きく出遅れた。互角のスタートから好位につけたらどんなレースをしたかは見てみたかった。
このレース3勝目を狙った
ベストウォーリアは6着。4コーナーで手応えをなくして下がっていく
ウインフルブルームと、外から位置取りを上げていった
キングズガードとの間に挟まれるような格好になり、どうやら
ウインフルブルームと接触して走る気をなくしてしまったようだった。
さて、
コパノリッキーだが、この記事が公開されるころには、正式に種牡馬入りが発表されているはずだ。次走について
村山明調教師は、「まだ勝ってないし、左回りのほうがいい走りをする」とのことで、
チャンピオンズCを予定しているとのこと。しかし
コパノリッキーにとって、馬群が凝縮して緩みのない厳しいペースになりやすい
チャンピオンズCは逆に向かないと思うのだがどうだろう。
いずれにしても、今後出走する可能性のあるレースは、
JBCクラシック、
チャンピオンズC、
東京大賞典からの選択となることは間違いないだろう。仮にそこまでで新記録のGI/JpnI・11勝目が達成されなければ、年明けの
川崎記念まで、という可能性もあるかもしれない。