「
秋華賞・G1」(15日、京都)
3連勝で一気に女王の座を手にした。東の
トライアル・
紫苑S勝ち馬で、3番人気の
ディアドラがG1初制覇。豪快に差し切って牝馬最後の1冠をつかんだ。
ハービンジャー産駒はJRA・G1初制覇、鞍上のルメールは今年トップのG1・4勝目。次走予定の
エリザベス女王杯(11月12日・京都)でG1連勝を狙う。2着には4番人気の
リスグラシュー、3着には5番人気の
モズカッチャン。1番人気の
アエロリットは7着に終わった。
ゲートが開いた瞬間に、勝利の芽はついえたように思われた。それでも最後はしぶとく伸びて差し切り勝ち。3番人気の
ディアドラが3連勝で、牝馬最後の勲章をつかんだ。
今年トップのG1・4勝目を挙げたルメールは開口一番「ごっつぁんです!」と声を張り上げる。「きょうは(馬が)トップコンディションだった。彼女は最後まで頑張った」とJRAG1初制覇を飾った
ハービンジャー産駒の乙女をねぎらった。
発馬で出遅れ、道中は後方から4番手。「向正面で“勝つのは無理”」と鞍上が思ったほどだ。だが徐々にポジションを上げ、直線は内を突いた。「外を回れば(勝つのは)難しい。詰まっても仕方ないと思って」。その好判断に導かれて直線は経済コースを通り、ジワジワと伸びて前を視界に。レース史上初の重馬場を味方に、ゴール前は外から差し切った。
「少々の重馬場はこなすと思っていた。普通の馬より長めに脚を使えるので、残り100メートルでかわせると思った」。そう振り返ったのは橋田師。「G1はご無沙汰だったので、うれしかった」と07年の
高松宮記念(
スズカフェニックス)以来、10年ぶりに味わう大舞台での美酒に酔った。
チーム力の勝利だ。
ディアドラを担当する込山助手は、指揮官に「彼は牝馬を仕上げるのが上手。任せて安心だった」と言わしめるほどの腕利き。秋の目標を
秋華賞に絞り、コーナー4つのレースを選択して札幌へ。前哨戦はローズSではなく、本番と同距離の
紫苑Sを選んでV。全ては本番を勝つための布石-。陣営の工夫が花開いた。「競走馬を仕上げるのはチーム力」。トレーナーは厩舎全体でもぎ取った勝利であることを強調した。
今後については「状態を見て
エリザベス女王杯を考えたい」と師。陣営の施策と鞍上のエスコートで秋を実らせた
ディアドラが、G1馬の勲章を胸に、堂々と古馬に立ち向かっていく。
提供:デイリースポーツ