雨の中、行われた
秋華賞。
ディアドラを担当する込山助手はスタンドからレースを見守っていた。
「どんな馬場でも走れるし、馬群も問題ない。状態は叩かれて上向いていた。自分の力を出し切ってくれれば、と思っていたよ」
後方4番手からレースを進め、3コーナーでスッと内に潜り込み三分三厘は経済コースを通りつつ、直線を向いた。
「内に入ったときは、正直ビックリした。あそこからどう抜け出してくるのかと思ったが、勢いに乗ったまま馬群に閉じ込められずに抜け出せた。運があってよかったよ」
ディアドラは泥だらけで引き上げてきた。他の馬たちはさっさと地下馬道へ消えて馬房へ戻っていくが、優勝馬は表彰式に出なければならない。
「かわいそうなくらい泥だらけだったから、とにかく早く洗ってあげたかった」
込山助手は何より愛馬の体のケアを優先させたいと思ったのだ。人間の都合ではなく、馬の成長に合わせながらじっくりと育てていく込山助手らしい言葉だった。一夜明けた今朝も「いつもどおり」(込山助手)と元気な様子だ。
そして、橋田師は「このまま順調なら」と前置きした上で次走は
エリザベス女王杯を予定していることを明らかにした。
込山助手によれば、続戦でさらに上積みが見込めるという。
「春シーズンは
オークスが
ピークだったように、使って良くなるタイプ。秋シーズンもまだまだ良くなると思う」
成長曲線についても「成長具合は既にある程度、上のレベルまできているが、まだ良くなる余地はある」とまだ上がある見込みとのこと。
この秋は、さらに
ディアドラから目が離せなくなりそうだ。
(取材・写真:花岡貴子)