コパノリッキー不在となって、確たる逃げ馬が不在というメンバー。内枠もあって逃げることになった
オールブラッシュのペースは、最初の3Fが36秒7で、1000m通過が62秒1というゆったりしたペース。2番手が大井の
サブノクロヒョウで、やや離れた3番手に
アウォーディーと
ミツバ。逃げるかとも思われた
ケイティブレイブはそのうしろ。向正面に入ったあたりで
サウンドトゥルーは、中央7頭の中では最後方、先頭からは10馬身ほども離れた位置からレースを進めた。
ケイティブレイブは、出遅れた
帝王賞で直線一気に差し切ったように、今回も直線での追い比べに賭けたのだろう。4コーナーで好位にとりつき、直線、測ったように差し切ったまでは正攻法の完璧な競馬。しかしそれを上回る直線での末脚を発揮したのが
サウンドトゥルーだった。
勝ちタイムが2分4秒5で、前半は前述のとおり62秒1で、後半が62秒4と、前後半がほとんど同じタイム。それを演出したのは、勝った
サウンドトゥルーで、レースの上りが37秒8のところ、
サウンドトゥルーはメンバー中最速の37秒0で前をまとめて差し切った。好位抜け出しの
ケイティブレイブですら37秒6だから、
サウンドトゥルーが直線で使った脚がいかに際立っていたかは、その数字を見てもわかる。
ちなみに
サウンドトゥルーが勝った一昨年の
東京大賞典のタイムを見ると、勝ちタイムが2分3秒0のところ、前半が61秒3、後半が61秒7と、やはり前後半のタイムがほぼ同じ。このとき逃げたのは
コパノリッキーで、直線失速して4着。レースの上りが37秒8のところ、
サウンドトゥルーの上りは36秒7で、今回と同じようにレースの上りより1秒近く速い上りをマークしていた。これこそが
サウンドトゥルーの勝ちパターンで、それはレースぶりを見てもわかるとおり。とはいえ、そういう流れになるかどうかをレース前に予想するのは難しい。
それにしても一昨年の
日本テレビ盃以降、常に一線級とのレースを続けてきて、惨敗といえるレースがほとんどない安定したレースぶりはたいしたもの。今年の
フェブラリーSでも、着順こそ8着だったが、勝った
ゴールドドリームからコンマ6秒差だった。
サウンドトゥルーの前走、
日本テレビ盃が休み明けの仕上がり途上であのレースなら、今回さらに上積みがあればということは十分に考えられた。
大野拓弥騎手のレース後の話にもあったように、寒くなるこれからの時期に調子を上げてくるとのことだ。
ミツバが好位追走から強気に攻めて接戦の3着に粘った一方で、
アウォーディーは直線失速して4着。休み明けのぶんはあっただろうが、昨年の
JBCクラシック以降勝ち星がなく、連戦連勝のときのような勢いがないのは気になるところ。
2番人気に期待された
アポロケンタッキーだが、中団を追走して向正面から追い通し。まったくレースに参加できなかったのは状態に問題があったということか。
GI/JpnI馬5頭といっても、ここまで
サウンドトゥルーが2勝で、それ以外の4頭は1勝のみ。着差はわずかだったが、差し切ってのゴール前は余裕があり、うまく流れに乗って格の違いを見せた。