「みやこS・G3」(5日、京都)
勢いは止まらない。チャンピオンズC出走の切符をつかんだのは、夏の上がり馬
テイエムジンソク。秋初戦を飾り、初の重賞タイトルもつかんだ。
3番手追走から手綱を抑えたまま4コーナーで先頭へ。直線は独壇場だ。馬名の“迅速”を体現するように、スピードで圧倒した。「自信を持っていました。ハミを取って楽だったし、スピードの持続力がある。最後まで押し切ってくれた」。古川は信頼する相棒のVに誇らしげ。ハミ受けなどコン
トールしづらい面のある馬だが、「難しいけど…。工夫しながら、ね」と、コンビ5戦で飾った4勝目を喜んだ。
「思った以上に強かった」。木原師はホッとした様子。昨年の今頃は、降級後に勝っている準オープンで足踏み状態。丸1年勝てずに、オープン入りを果たしたのは今年の5月。しかし、それからはまるで別馬のよう。4連勝とはいかなかったが、
エルムSでもレコード決着の2着と地力強化を証明。今回は重賞ウイナー7頭らを横綱相撲で蹴散らした。
「初顔合わせの馬もいて一戦一戦が試金石。これで少しは弾みがついたかなと思う」。控えめな言葉のなかにも指揮官はG1への意欲ものぞかせる。「なんとか通用する馬になってほしい。年内はあと1走。チャンピオンズC(12月3日・中京)で締めくくりたい」。大舞台に名乗りを上げたダート界の新星。頂点獲りに向けて加速し続ける。
提供:デイリースポーツ