「
エリザベス女王杯・G1」(12日、京都)
またまたミルコが魅せた。5番人気の
モズカッチャンが、ゴール前の接戦を制して新女王の座に就いた。M・デムーロはレース連覇を達成するとともに、G1・9戦連続3着以内の新記録も達成。鮫島師は開業18年目でのうれしいG1初勝利となった。2着は9番人気の伏兵
クロコスミア、3着は3番人気の
ミッキークイーン。1番人気の
ヴィブロスは5着に敗れた。
3歳馬の勢いが古馬をのみ込んだ。
オークス2着、
秋華賞3着と、G1で惜敗が続いた
モズカッチャンが“三度目の正直”で牝馬の頂点へたどり着いた。
またまたミルコだ。好スタートから好位の5番手につけると、目の前で掛かり気味に運ぶ1番人気
ヴィブロスとは対照的に、完璧なまでに折り合った。内を全くコースロスなく進み、最後の直線へ。2番手から抜け出した2着馬に襲いかかってゴール寸前でとらえると、外から猛然と迫る3着馬を封じ込む。完璧なエスコートで、パートナーを女王の座へと導いた。
「自信はありました。すごくいい状態だったし、一番いい位置が取れて、ずっといい手応えで真面目に走ってくれました。ゴール前で勝った!と思いましたよ」。今年トップとなるG15勝目をレース連覇で決めたM・デムーロは声を弾ませる。これで新記録となるJRA・G1実施機会9戦連続3着以内も達成。手がつけられないほどの絶好調ぶりだ。
秋華賞は右前脚の落鉄というアク
シデントに泣いた。「あれさえなければ勝てていた。リベンジしたかった」とうなずく。だからこそ昨年覇者
クイーンズリングではなく、この馬を選択。「初めて騎乗した時からいい馬だと思っていた。賢いし、すごく走る馬です」。力を信じ、見事にミッションをやり遂げた。
管理する鮫島師にとっては、開業18年目で感激のG1初勝利。これまで2着4回、3着6回と勝てそうで勝てなかっただけに、「最高の気持ちです。ミルコが僕にG1をプレゼントします、と言ってくれていましたからね。最近はG1を獲りたい気持ちになっていましたから本当にうれしい」と瞳を潤ませた。
歴戦の古馬を撃破して堂々と
ビッグタイトルを手中にした
モズカッチャン。「秋3戦は決めていましたが、次走は未定です。少しゆっくりさせてから備えたい」と指揮官は話す。新女王はしばしの休息へ経て、次なる戦いへ向かっていく。
提供:デイリースポーツ