「マイルCS・G1」(19日、京都)
レース4日前に大きな鞍上の交代劇があった。調教中の落馬負傷で先週末の実戦騎乗をキャンセルした
武豊は今週日曜からの復帰が決まったものの、
ジョーストリクトリでの参戦に。当初予定していた
エアスピネルは鞍上にムーアを迎える。悲願G1制覇を狙う同馬は15日、栗東坂路で鋭い動きを披露。“G1仕様”の仕上げでマイル王の座を狙う。
急転、ムーアを鞍上に迎えることになった
エアスピネル。笹田師は「
武豊騎手のケガの状態と、舞台がG1であることを考慮して、オーナーサイドと最善の形を取りました」と乗り代わりの経緯を説明した。
最終追い切りは栗東坂路。僚馬
ロードアルペジオ(4歳1000万下)を前に見ながら、柔軟なフットワークでチップを捉え、真っすぐに駆け上がる。最初の1Fを13秒8で入り、余裕を持ってペースアップ。12秒8-12秒4とギアを上げ、ラスト1Fを12秒3(4F51秒3)でまとめて楽に1馬身半の先着を果たした。
教科書通りと言っていい加速ラップに、「思った通りの時計でしたね。グッと沈むようなフットワークで走ってくれていました。G1に向けての調整ですから、もう1段階、2段階アップさせるようにやっていきたい」。やや動きが重く感じた先週とは違う。トレーナーはうれしい変化を実感。G1仕様の仕上げが、完結しつつあるのは間違いない。
精神的な部分での甘さが解消し、経験を積みながらメンタル面でも成長。快勝した
富士Sの走りが示すように、落ち着きが出て、一生懸命さも伝わってくるようになった。指揮官は初コンタクトとなるムーアに「性格と注意する点を伝えるつもり」と内面の“トリセツ”を授けて、万全を期す構えだ。京都は重賞2勝を含めて〈2110〉。ベスト舞台で、今度こそG1タイトルを手に入れてみせる。
提供:デイリースポーツ