「京都2歳S・G3」(25日、京都)
名手が完全復活だ。単勝2番人気の
グレイルが、無傷2連勝で重賞初制覇を達成した。鞍上の
武豊は、8日の落馬負傷(右膝靱帯損傷)から6戦目での復帰後初Vを重賞で飾り、「強かった。直線で手前が変わらなかったり、全体的に走りがしっかりしていない段階でこれだけ走ってくれた。楽しみ。すごく素質を感じます」とパートナーをたたえ、白い歯をこぼした。
スタート後は、1番人気
タイムフライヤーを見ながら4番手へ。直線は外に持ち出すと、右ステッキで鼓舞し、先に抜け出したラ
イバルを強襲。ゴール寸前で頭差とらえた。「初戦は道悪をこなし、今回は良で勝ってくれた。前走より10秒以上速い時計で勝ったね」と舌も滑らかだ。
賞金加算に成功し、野中師は「まだ体ができていないなかで走ってくれた。これで理想的な形でゆったりとローテが組める」と頬を緩める。年内は休養予定だが、クラシックなど大レースが待つ来春以降に明るい展望が開けたのは間違いない。
武豊は、
ジャパンCに大本命のG1・6勝馬
キタサンブラックで臨む。ファンから“ブラックも頼むで”と声が掛かると力強くうなずいた。「この調子で頑張ります」。追い風を背に東京へ。さあ、日曜も大仕事が待っている。
提供:デイリースポーツ